請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 478 件名 農業改革の名による農業・農協つぶしをやめ、地域を守ることに関する請願
要旨  これまで市場原理に任せるのはふさわしくないと自由競争に一定の歯止めがかけられてきた医療・福祉、雇用、農業分野の規制を安倍首相は岩盤規制と呼び、ここにドリルで穴を開けると規制改革を進めている。今提起されている農業改革は、その一環であり、農業を企業のもうけの場に開放するために邪魔になる農協や農業委員会を解体しようというものである。命の源・食料生産を担う農業を企業のもうけのために開放することは、家族農業や関連産業を破壊し、食の安全・安定供給や農業の持つ多面的機能を失い、地域を支える生業や雇用を奪うことになる。また、農協の在り方に政治が介入することは、ICA(国際協同組合同盟)も批判しているように協同組合原則を否定するものであり、農協にとどまらない消費生活協同組合や共済協同組合にも波及する大きな問題である。政府が進めようとしている農協中央会の新たな組織への改編、連合会の株式会社化、単協から信用事業を奪うことは、総合事業を通して地域のインフラを提供し地域経済を支えている農協事業の役割を否定するもので、地域と雇用の崩壊をもたらす。国連は、二〇一四年を国際家族農業年とし、食料危機の解決と食料主権確立のための持続可能な農業の在り方として家族農業経営の普及を呼びかけている。しかし、現在政府が進めている農業改革は、この国連の提起にも反する。政府が進める農業改革には反対である。安全な食料の安定供給や環境保全、人の住める地域を守るためにも、家族農業経営を育て、それを支える農協や農業委員会の機能を強化することこそ必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、食料自給率の向上を目指すこと。
二、協同組合の自主性を守り、農協の組織改編を法律で押し付けないこと。
三、農協解体は、地域経済やインフラを破壊し、農協労働者始め地域の雇用を奪うものであり、止めること。
四、企業の農地取得に道を開く農地法などの改定はしないこと。
五、農業委員の公選制を維持し、農業委員会の機能を充実すること。

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