請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 382 件名 被災者生活再建支援制度の抜本的拡充を求めることに関する請願
要旨  二〇一四年八月、広島市北部を襲った豪雨、土砂崩れは、死者七十四名・被災家屋約五千戸という大変な被害をもたらした。多くの被災者は、住宅家屋の再建など多くの不安を抱えながらの生活を強いられている。また、東日本大震災の被災者が今なお応急仮設住宅や、みなし仮設住宅に暮らしている。一日でも早く人間らしい住まいや生活空間を得て、地域で安心して暮らすことが被災者の最大の願いである。東日本大震災でも、広島土砂災害を始めとした全国各地での災害でも、住宅の再建は、一人一人の被災者の生活再建の要であるとともに、地域全体の復興を左右する重要な課題である。住宅再建への支援は、地域への定住を促し人口流出を防ぎ、地域の活力やコミュニティを保つために不可欠な公共性のある施策である。被災者生活再建支援法は二度の改正を経て全壊家屋の再建に最大三百万円が支給されるが、東日本大震災の被災地では現行制度だけでは不十分であり、自宅再建や住宅確保が進んでいない。加えて、高齢者や生活困窮者など自宅再建の難しい人もおり、東日本大震災の実情に合わせた支援策が必要になっている。近年、広島土砂災害のような災害救助法が適用される大規模災害のほか、狭い範囲に甚大な被害をもたらす局地的なゲリラ豪雨や竜巻などが全国各地で頻発している。このような自然災害に対して、国民に等しく救済の手を差し伸べられるような施策にすることも求められている。二〇〇七年度に改正された際に国会は四年後に制度の拡充に向けて見直すとする附帯決議を行ったが、見直すはずだった二〇一一年に東日本大震災が発生したため、議論はされたものの総合的な見直しは行われていない。
 ついては、被災者生活再建支援法を始めとした被災者生活再建支援制度を速やかに見直し、次の事項について実現を図られたい。

一、被災者生活再建支援法に基づく支援金の最高額を、少なくとも五百万円に引き上げること。
二、被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給について、半壊を対象に含めるなど支給対象を拡大するとともに、局地的な災害にも対応できるよう支給要件を緩和すること。
三、当該支援金の支給の拡充に当たっては、国の負担割合を引き上げること。
四、自宅再建の難しい被災者に対して、賃貸住宅への入居などにかかる負担軽減等を含めた総合的な居住確保のための支援策を実情に合わせて検討すること。

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