請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 211 件名 介護保険制度の改善、介護従事者の処遇改善に関する請願
要旨  二〇一四年六月、医療・介護総合法が成立し、介護保険法が改正された。(一)要支援者の訪問介護、通所介護を介護給付から外し、市町村の事業に移し替える(二)一定以上の所得者の利用料を二割に引き上げる(三)特養の入所対象を原則要介護三以上に限定する(四)低所得者の施設入所者を対象とする居住費・食費の要件を厳しくする、など従来にない規模と水準の給付削減と負担増が盛り込まれ、利用者からは「このまま実施されたら在宅での生活が続けられなくなる」「費用負担が増えたら特養を退所せざるを得ない」「今特養を申し込んでいるが、待機者から外されてしまうということか」といった悲痛な声、疑問が寄せられている。利用者・家族に新たな困難を押し付け、介護の社会化に逆行する今回の見直しに強く反対する。同時に、介護従事者の確保と処遇改善は今や待ったなしの課題となっている。介護従事者の処遇は全産業労働者の平均と比べて極めて低く、働き続けることが困難な実態にある。多くの介護事業者からも「このままでは十分な賃金を払えない」「必要な職員を確保できない」などの声が強く出されている。労働環境を抜本的に改善するために、低く固定化された介護報酬の大幅な引上げ、介護従事者確保、抜本的な処遇改善を国の責任で推進することが必要である。利用者・家族が安心して介護を受けられ、介護従事者が生き生きと働き続けられるよう、介護保険制度の改善と処遇改善・人材確保の実現を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、要支援者がこれまでの生活を継続できるよう、市町村に対して財源の確保を含めた支援を行うこと。
二、特養ホームを大幅に増やすこと。
三、利用料の二割化を始め、サービス利用や施設入所を困難にする費用負担の引上げをやめること。
四、介護報酬を大幅に引き上げるとともに、国の責任で介護従事者確保・処遇改善のための施策を早急に講じること。
五、以上を実現するために、介護保険財政に対する国の負担割合を引き上げること。

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