児童買春・児童ポルノ禁止法改正問題に関して、拙速を避け、極めて慎重な取扱いを求めることに関する請願:請願の要旨:参議院

請願

 

第186回国会 請願の要旨

新件番号 1932 件名 児童買春・児童ポルノ禁止法改正問題に関して、拙速を避け、極めて慎重な取扱いを求めることに関する請願
要旨  「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(以下「同法」という。)の改正に関して、児童ポルノという呼称ゆえに誤解の多い同法をより適切な形に改め、国民的議論と合意形成が十分でない現況下での児童ポルノ単純所持罪の新設といった罰則の強化などに対して慎重な取扱いを求める。改正議論で主に検討されている所持罪の新設等は、識者からも様々に指摘されているとおり国民生活を脅かすことにつながりかねない。また、法律名による誤解の多さからかマスコミ報道も慎重さを欠いた部分が目立つため、法改正に当たっての危険性の周知とその上での国民的な合意形成が十分になされていない状況である。同法の改正に関して、時間を掛けて正しく国民議論の俎上(そじょう)にのせる必要があり、国民的な合意が十分でない現況下においては同法を以下のように取り扱うよう求める。(一)同法における児童ポルノの定義が非常に曖昧であり、第二条第三項に列挙される説明では十分なものとは言えず、今後も国民生活を脅かすことのないよう定義を精密かつ明確なものにする。(二)同法に対し画像・映像などの所持・取得に関する新たな罰則を設けることは、多くの冤罪(えんざい)、捜査権の濫用、プライバシーの侵害や行き過ぎた監視国家化が引き起こされる可能性が高く、日常的国民生活を脅かすものとしてこれを設けない。(三)イラスト等の被害者の存在しない創作物も同法に含めるべきとする議論に関しては、実在する児童を保護するための法律である以上、保護法益を無視した主張であり、法の運用を混乱させ、表現の自由を侵害しかねず、これを同法の範囲に含めない。(四)同法における保護法益の認識が混乱している背景は、法律名自体に児童ポルノという認識上の誤解を招きやすく、また被害児童に対しても配慮を欠く表現が用いられていることに端を発するものであり、児童性虐待防止法等のより適切な法律名に改め、法律名に児童ポルノの言葉を用いない。(五)同法の附則に存在する三年を目途とする法改正の検討要請は、特に法的な根拠も合理性もないものであり、これを削除し適時必要性が生じたときに改正を検討する。
 ついては、国民的な認識が不十分なままに、議論を尽くさない拙速な法改正とならないよう、次の事項について実現を図られたい。

一、「児童ポルノ」の定義を、精密かつ明確なものとすること。
二、画像・映像等の「所持、取得」に関して新たな罰則を設けないこと。
三、「イラスト」等の被害者の存在しない創作物を、同法の範囲に含めないこと。
四、法律名を「児童性虐待防止法」等の適切なものに改め、法律名に「児童ポルノ」の言葉を用いないこと。
五、「三年を目途」とする法改正検討の要請を削除し、必要が生じたときに改正を検討すること。

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