請願

 

第186回国会 請願の要旨

新件番号 1510 件名 海上自衛隊の住環境の整備に関する請願
要旨  自衛隊法施行規則で、乗船を命ぜられた海上自衛官は船舶で居住しなければならないと規定されている。休養を取るために海上自衛隊基地近辺に下宿を借りることはできるが、船を住居とする基本は現在も変わっていない。そのため、水上艦、潜水艦共に仮眠所・待機所はあるが、隊員全員のスペースが確保されているわけではなく、飽くまでも仮眠する建前の場所であり、私物の持込みは制限され電化製品も自分で設置はできない。下宿として基地の外に居住するにも、自衛隊は緊急の任務がある場合は数時間で基地内に帰ってこなければならないため、おのずから居住場所は制限される。結婚や子育てなどの基本的な日常生活にすら大きな負担がかかることから隊員の離婚率も増え、自らの生活や土地を守るという意識も低下する。日々の生活があればこそ、家族との生活を維持し、住んでいる町、住んでいる国への愛情が生まれ、それを守るという決意が生まれる。現在のような過酷な住環境では隊員には休日でもプライベートはなく家庭生活が維持できず、せっかくの訓練を積んだ隊員が自衛隊を辞めていくことにつながる。また、新たな隊員を募集するにも船で居住する条件では志願者数は増えない。潜水艦も増え、水上艦も大型化している。日本の海に危機が迫っている中、離職率が高いままでは部隊の運用も難しくなる。自衛隊法第五十五条第一項(指定場所に居住する義務)「自衛官は、防衛省令で定めるところに従い、防衛大臣が指定する場所に居住しなければならない。」という事項を守るためにも、部隊内での連絡も招集も行いやすく、家族と共に住み職場の延長線ではなく個人・家族のプライバシーが守られ心身共に休養が取れるよう、隊員全員の官舎を基地周辺に確保するよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、海上自衛隊が安心して任務に就ける住環境を整備すること。
二、全国の海上自衛隊の官舎を基地の近くに造ること。

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