請願

 

第185回国会 請願の要旨

新件番号 838 件名 秘密保護法に関する請願
要旨  次の事項について実現を図られたい。

一、秘密保護法に反対すること。

   理由
 (一)行政機関の長が特定秘密を定め、それを漏らした公務員、伝えた記者、さらには秘密を漏らすよう働きかけた民間人までをも最高十年もの重罰に処すと定めた本法案は、市民の知る権利を侵害し、研究・文化活動を妨害するものであり、市民の基本的人権を侵す。(二)集団的自衛権行使容認の動きが進む中、国家安全保障会議設置法とセットとして上程された本法案は、アメリカ軍などの軍事行動と連携して戦争に参加する危険を高めるものであり、憲法で定める平和主義に反する。(三)福島第一原発事故で、重大な放射能汚染が広がったにもかかわらず、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報は、全く住民避難にいかされることなく、住民の初期被ばくを防げなかったという、甚大な結果をもたらした。原発情報がテロの危険の名の下に特定秘密とされたら、原子力情報は更に隠されることになり、市民の生命・健康・安全を危険にさらす。(四)我が国の民主主義制度においては、国会が国権の最高機関とされ、国会では正確な情報に基づいた議論が保障されなければならない。しかし、本法案は議員の国政調査権を制限するばかりか、特定秘密の国会への提供を非公開の秘密会に限定している。しかも、その提供の諾否は、行政機関の長の判断次第とされている。行政機関の判断次第で、安全保障や原子力を始め、国民にとって重要な情報を得ることができなくなる。それは世界の潮流である情報公開の流れに逆行しており、国民主権を踏みにじる。

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