請願

 

第185回国会 請願の要旨

新件番号 670 件名 教育予算の増額、教育費の無償化、父母負担軽減、教育条件の改善に関する請願
要旨  小学校一・二年生で国の責任による三十五人以下学級が実施され、ほとんどの都道府県で独自の少人数学級が実施されている。また、二〇一二年九月、日本政府は国際人権規約の留保を撤回し、高校・大学の無償教育を漸進的に導入することを国際的に宣言した。しかし、二〇一三年度は小学校三年生以降の三十五人以下学級が見送られ、「新たな教職員定数改善計画案」が先送りされるなど、教育条件の改善が足踏み状態となった。私学では高等学校等就学支援金制度が授業料減免などにも活用されており、私学助成と共に拡充が求められている。私学の学費負担は公立より大きく、公私間格差の解消が急がれる。そして、返還不要の公的な給付制奨学金を求める声も切実である。高校生・大学生が経済的理由で修学や進学を諦めることのないよう、奨学金制度の抜本的改善が必要である。厳しい地方財政の中、少人数学級前進や教育費補助制度などを独自に取り組んでいるが、教育の機会均等を保障するために、国が責任を持って教育条件整備を進めることが極めて重要である。東日本大震災・福島原発事故については、いまだに住民の暮らしと学校の復旧が十分に進められているとはいえない。被災地の声を真摯に受け止め、緊急かつ計画的に、子供たちの命と安全を最優先した学校・地域をつくることが求められている。
 ついては、子供たちの笑顔が輝き、憲法と子どもの権利条約がいきる学校をつくるため、次の事項について実現を図られたい。

一、行き届いた教育の実現のため国の教育予算を大幅に増やし、以下の取組を進めること。
 1 国の責任で小・中学校、高校の三十人以下学級の実現と、そのために必要な教職員定数を改善すること。また、幼稚園や障害児学級・学校の学級編制標準の引下げを進めること。
 2 お金の心配なく子供たちが安心して学べるよう、教育費の無償化を進め、学校教育にかかる父母負担を軽減すること。
  (一)教育の機会均等を保障するため、「公立高校授業料不徴収及び高等学校等就学支援金制度」を拡充すること。
  (二)高等学校等就学支援金の拡充や私学助成増額による授業料減免などを広げ、私学の実質無償化を進めること。
  (三)小・中学校、高校の教育活動に必要な教材費や給食費など、学校納付金を無償にすること。
  (四)国際人権規約にあるとおりに権利としての教育を充実し、小・中学校から高校・大学までの教育の無償化を進めること。
  (五)高校・大学生に対する返済不要の「給付制奨学金」をつくること。
 3 全国どこでも豊かな教育条件の下で学べるよう、改善を進めること。
  (一)子供たちと向き合う時間を確保するため、公私共に専任の教職員を増やすこと。
  (二)障害のある全ての子供たちの教育の充実のため、教職員を増やし、教育条件を整備すること。特に、障害児学校の「設置基準」をつくり、過大・過密を解消すること。
  (三)学校の耐震化を早急に進めるとともに、地域における防災対策や避難所の機能整備を進めること。
二、東日本大震災・福島原発事故の被害を受けた子供を守り、学校と地域の復旧・復興を進めること。

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