請願

 

第185回国会 請願の要旨

新件番号 503 件名 アンジェルマン症候群などの遺伝子疾患に対する難病対策に関する請願
要旨  アンジェルマン症候群などの遺伝子疾患は、抜本的な治療法がなく、患者数が少ない、希少性の高い疾患である。重篤な発達障害を伴い、生涯にわたり、大人の介助を常に必要とし、一人で生活することができない。専門医による診断が必要であるが、希少性が高いため、地域によっては専門医不足から、確定診断に時間を要する場合や間違った診断をされている場合が生じている。さらに、これらの原因による確定診断の遅れは、幼い時期に発達障害を伴う子供たちが最適な療育を受ける機会を妨げている。厚生労働省の難病対策委員会が難病対策の法制化に向け、協議を進めている。この中では、難病認定の疾患数を大幅に増やすことを検討しているが、アンジェルマン症候群などの希少な遺伝子疾患を認定難病として取り上げ、疾患の知名度向上に向けた活動と早期治療法の解明に向けた研究の推進を求める。アンジェルマン症候群などの遺伝子疾患の患者数は少ないが、決して特別な病気ではなく、一定の確率で出生する。これらの患者とその家族が安心して暮らしていけるよう、難病政策の強力な推進を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。(資料添付)

一、現在協議を進めている厚生労働省の難病政策の法制化を早期に実現し、医療、療育、教育、就労支援、福祉などを含めた、総合的な難病政策を進めること。
二、難病対策の新しい法の下、希少な遺伝子疾患も難病として認定すること。
三、難病対策委員会は、難病認定での重症度による認定患者の選別を検討しているが、アンジェルマン症候群などの重篤な発達障害を伴う遺伝子疾患は、重症度による明確な患者の選別が困難なため、認定患者の重症度選別を実施しないこと。
四、自治体や医療機関、支援学校など、公共性が高い機関や施設に対し、アンジェルマン症候群などの希少な遺伝子疾患の特徴の認知度向上に向けた活動を推進すること。
五、アンジェルマン症候群などの希少な遺伝子疾患に関して、原因究明と治療法開発の研究を強力に推進すること。海外研究機関の研究者と国内の研究者の交流を促進すること。

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