請願

 

第185回国会 請願の要旨

新件番号 205 件名 全ての子供の権利が保障される保育制度・子育て支援策の実現に関する請願
要旨  子供は未来の希望である。どんな地域、家庭に生まれても、全ての子供は健やかに育つ権利を保障されなければならない。こうした子供の権利を保障するために、保育所はこれまで憲法第二十五条、児童福祉法第二条、第二十四条などに基づき、子供の成長・発達を保障する福祉施設として大きな役割を果たしてきた。子供の貧困率の上昇や子育て困難の広がり、また、東日本大震災や原発事故の復旧も進まない現状の中、全ての子供に福祉としての保育を平等に保障することがますます重要になっている。さらに、少子化にもかかわらず保育所の待機児童問題が社会問題になっている。一方、低過ぎる処遇が原因で保育士不足も深刻になっており、必要な職員がそろわないために施設が開設できない事態も起きている。ところが、政府はこうした緊急課題の解決を図ろうとせず、国と自治体が責任を負う公的保育制度を解体し、保育を市場に委ね、子供をもうけの対象にする「子ども・子育て支援新制度(新制度)」の検討を進めている。新制度は子供にとっての必要性と権利保障という視点からではなく、保護者の就労を基本に保育の必要性と必要量を認定し、保護者に対して直接補助(個人給付)をするものである。さらに新制度では、多様な施設・事業に、規制緩和も含めて多様な基準が認められることで、子供の保育に格差が生じ、保育環境が悪化することが心配されている。今、多くの保護者は安心して預けられる認可保育所を求めている。国と自治体の責任の下で、最低基準が守られ、公費による財源保障を基本とする現行保育制度を拡充し、認可保育所を増設していくことこそが必要である。全ての子供の成長・発達の権利が保障され、安心して保育・子育てができる制度の実現を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、保育士、幼稚園教諭、学童保育指導員など、全ての職員の処遇改善のための仕組みを導入すること。
二、待機児童の解消は、国と自治体の責任による認可保育所の増設で進めること。
三、保育・学童保育・子育て支援施策の拡充のために、子ども・子育て関連予算を大幅に増やすこと。
 1 保育所運営費を抜本的に改善し、施設整備費補助を維持・拡充すること。
 2 公立保育所の運営費と施設整備費の国庫補助を復活すること。
 3 過疎地等における保育所の維持・改善のために特別な措置をすること。
四、被災地の保育所を始めとする子育て支援施設の整備・復旧、除染費用の補助などについては、特別な支援措置をすること。

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