請願

 

第185回国会 請願の内閣処理経過

件名 難病、小児慢性疾患、長期慢性疾患の総合対策に関する請願
新件番号 1055 所管省庁 厚生労働省 内閣処理経過受領年月日 H26.5.19
処理要領 一 難病対策については、「難病対策の改革に向けた取組について」(平成二十五年十二月十三日厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会取りまとめ。以下「報告書」という。)において、①効果的な治療方法の開発と医療の質の向上、②公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築及び③国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実の三つを柱として難病対策の改革に向けた取組を行うことが示されており、報告書の内容等を踏まえ、その具体的な内容について検討を行うこととしているが、特に、難病に係る医療費助成については、難病の患者に対する医療等に関する法律案(以下「難病法案」という。)を今国会に提出したところである。
二 高額療養費の見直しについては、「社会保障制度改革国民会議報告書」(平成二十五年八月六日社会保障制度改革国民会議取りまとめ)及び持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十二号)を踏まえ、負担能力に応じた負担を求める観点から、所得区分を細分化し、所得が相対的に低い者の自己負担限度額を引き下げること等の措置を講じることとしたところである。
  難病に係る医療費助成については、消費税率引上げによる増収分を活用して、対象疾病を拡大するとともに、都道府県の超過負担を解消するなど、公平かつ安定的な制度を構築するため、今国会に難病法案を提出したところである。
三 現在、小児慢性特定疾患治療研究事業により、慢性的な疾病を抱える児童等に対して医療の給付等を行っており、当該事業については、「慢性疾患を抱える子どもとその家族への支援の在り方(報告)」(平成二十五年十二月社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会取りまとめ。以下「専門委員会報告」という。)において、公平で安定的な医療費助成の仕組みを構築するために必要な取組が示されている。専門委員会報告の内容等を踏まえ、児童福祉法の一部を改正する法律案(以下「児童福祉法改正法案」という。)を今国会に提出したところである。
  なお、小児慢性特定疾患治療研究事業対象者が対象年齢を超えた場合の支援の在り方については、専門委員会報告においても、当該対象者の一層の自立促進を図るなど、成人期に向けた切れ目のない支援の重要性が指摘されている。難病に係る医療費助成について対象疾病を拡大することとしているほか、引き続き、必要に応じて、既存の他の医療費助成制度等による支援を行ってまいりたい。また、成人期に向け、地域における自立支援の充実を図るために、児童福祉法改正法案において、新たに、自治体、医療、教育等の関係者が一体となって自立支援を行うための事業を法定化することとしている。
  難病・慢性疾病等の障害のある幼児、児童及び生徒に対しては、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)及び障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の趣旨を踏まえ、特別支援学校、特別支援学級等において一人一人の障害の状態等に応じた教育を行う等、特別支援教育の充実に向けた取組を進めている。
四 難病の医療体制については、入院治療が必要となった重症の難病患者に対し、適時に適切な入院施設の確保等ができるよう、地域の医療機関の連携により整備を図っている。また、報告書において、難病の正しい診断や適切な治療が行える医療提供体制の構築を進めることとされており、今後も引き続きその具体的な内容について検討を行うこととしている。
  医師の確保については、平成二十年度以降、医学部入学定員を増員してきており、平成二十六年度の医学部入学定員を過去最大の九千六十九名としているほか、地域における医師が不足している病院に対する医師確保の支援等を行ってきたところである。
  看護師等の確保については、これまでも、看護師等の人材確保の促進に関する法律(平成四年法律第八十六号)に基づき、看護師等の資質の向上、養成の促進、定着の促進、再就業の支援等の総合的な対策を推進してきており、就業者数は毎年着実に増加している。
 また、医師及び看護師等の確保、定着促進、再就業の支援等の更なる強化を図ること等を内容とする地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案を今国会に提出したところである。
五 各都道府県に設置された難病相談・支援センターの活動を支援するため、特定疾患医療従事者研修事業等の全国的な実施等に取り組んでいる。
  また、報告書において、①地域において、難病患者等の療養上及び日常生活上での不安の解消を図るなど、きめ細やかな相談や支援を行うため、難病相談・支援センターにおける取組の充実・強化を図ること、②全国的な難病相談・支援センター間のネットワーク等の仕組みを導入 すること、③難病相談・支援センターの質の向上を図るため、職員の研修を充実させるとともに、難病相談・支援員の研修会への参加を促進すること及び④患者の交流会等の開催を促進し、患者間の相互支援を推進するとともに、ピアサポートの研修会の開催を促進し、ピアサポートを行うための基礎的な知識・能力をもつ人材の育成を図ることとされており、これらを踏まえ、今後も引き続きその具体的な内容について検討を行うこととしている。

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