請願

 

第183回国会 請願の要旨

新件番号 1803 件名 こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続に関する請願
要旨  厚生労働省が二〇一二年九月、老朽化と全国に児童館が整備されたことを理由に、こどもの城及び青山劇場、青山円形劇場を二〇一四年度末で閉館すると発表した。こどもの城は、首都圏唯一の大型児童館として多くの子供、父母が利用している。子供たちが楽しみながら主体的に参加できる、音楽コンサート、様々な工作、スポーツ、キャンプ活動など工夫された多彩なプログラムがあり、子供の豊かな成長に大きな役割を果たしている。保育施設もあり、父母の子育ての手助けにもなっている。児童館の整備状況は区市町村によって大きな格差がある。東京都児童会館が二〇一二年三月末で閉館しており、こどもの城が閉館になれば、首都圏の大型児童館はゼロになってしまう。また、こどもの城で生み出されたプログラムが全国に普及しており、全国の児童館のセンターとして、日本の児童館全体をレベルアップするという、他にない役割を果たしている。小児保健部は発達障害のケア、ダウン症のケア、心のケアなどの専門的なケアを行っており、利用者のかけがえのないよりどころとなっている。青山劇場、青山円形劇場は、文化を発信、創造する拠点となっており稼働率も約九〇%である。青山劇場は、優れた舞台機構がありミュージカルなどに愛用されている。円形劇場は、完全円形の舞台を備え全国的にも貴重な劇場である。両劇場では、コンテンポラリー・ダンスの国際的祭典やこどもの城ならではの子供向けオペレッタなど、優れた自主企画が催されている。閉館は、表現の場を奪い一つの文化を喪失させるものである。二〇一二年九月に採択された「文化芸術政策を充実し、国の基本政策に据えることに関する請願」にも、同年六月に施行された「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」の精神にも反している。これらの施設は、年間八十万人の利用があり、厚生労働省の行政レビューシートでも優先度の高い事業とされてきた。建物本体の耐震性は十分あり、大規模改修を行えば、これから三十年間使える施設である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の閉館を撤回し、存続させること。

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