請願

 

第183回国会 請願の要旨

新件番号 1790 件名 憲法第九十九条の厳守に関する請願
要旨  憲法第九十九条には「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と明記されているが、国民の文字はない。これこそが、憲法が持っている権力者を縛るという近代立憲主義の立場を示す大事な条文にほかならない。最近とみに改憲の主張が、首相を始めとした国会議員、一部の首長等によって公然と語られている。安倍首相は第九十六条改憲を参議院選挙の中心的な公約にすることを表明し、与党の幹事長は「第九十六条を変えることは、第九条まで変わる可能性が高いと考えて投票を」と、その狙いを語っている。前東京都知事が「今の憲法を破る」と言うなど、憲法第九十九条違反が公然とまかり通る異常な事態が進行している。憲法が公布された翌年に、当時の文部省が作って配布した「あたらしい憲法のはなし」によれば、第九十六条(改正)では「国の規則の中でいちばん大事なものですから、これをかえる手つづきは、げんじゅうにしておかなければなりません」とし、「この憲法をかえるときに、この前文に記された考え方と、ちがうようなかえかたをしてはならないということです」と、強く戒めている。日本国憲法前文には「日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、(中略)政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」と高らかにうたわれている。そして国民は、国務大臣、国会議員に対して憲法を守らせる権利を有し、それに責任があることを教えている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、憲法第九十九条を厳守すること。

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