請願

 

第183回国会 請願の要旨

新件番号 1628 件名 障害児学校の設置基準策定に関する請願
要旨  全国的に障害児学校の児童・生徒数の増加が進み、在籍者数は十年間で三万三千五百二十一人増えている(二〇一二年文部科学省調査)。一方学校建設はほとんど進まず、百五十人規模の学校に三百人以上の児童・生徒が押し込まれるなど、子供たちの学ぶ権利を奪うばかりか、命と健康をも脅かしている。普通教室確保のために、一つの教室を薄いカーテン一枚で仕切って使うことなどが常態化し、隣のクラスの先生や子供の声も筒抜けになり、落ち着いた授業にはならない。図書室や理科室、個別指導の部屋などの指導上必要な特別教室が普通教室に転用され、医療的ケアが必要な子供と動き回る子供が同じ空間で過ごさざるを得ない状況さえ生まれている。全国で不足している教室が、普通教室だけで四千五百六十一教室(二〇一一年)に上ることを文部科学省調査も認めている(実際の不足数はもっと多いと考えられる)。こういった事態の根幹にあるのが、幼稚園から小中学校、高校、大学、専門学校まで全てにある設置基準が障害児学校にだけないことである。設置基準とは、学校を設置するのに必要な最低の基準であり、設置者はこの基準の向上を図ることに努めなければならないとされている。小学校の設置基準では、十二~十八学級が標準とされ、それ以上は過大校という扱いになり、新たな学校建設や増設が検討される。ところが、障害児学校では八十学級を超える学校があっても、普通教室をカーテンで仕切ったり、特別教室を潰してしまったり、子供と教職員に負担を強いるだけで、学校の新増設は進んでいない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、障害児学校の「設置基準」を策定すること。
二、当面、学級数が十八~二十四学級、児童生徒数が百五十人を超える学校がある場合、近隣に学校建設ができるよう建設の補助を増額すること。
三、プレイルーム、多目的室など教育上必要な特別教室を整備するよう指導し、増設の補助を増額すること。

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