請願

 

第181回国会 請願の要旨

新件番号 36 件名 子ども・子育て新システム関連法を実施しないことに関する請願
要旨  貧困と格差の広がりによって国民の生活は困難を極めている。東日本大震災、福島原発事故の復旧も進んでおらず、子供たちは命と安全を脅かされ、大きな負担を強いられている。保育所の待機児童問題も深刻であり、認可保育所に入りたいという保護者の切実な願いはかなえられていない。しかし政府は、こうした喫緊の課題の解決を図ろうとせず、子供を増税の言い訳にして、多くの国民が反対している子ども・子育て新システム関連法など社会保障と税の一体改革関連法の採決を強行した。新システムは、全ての子供の権利保障という視点からではなく、保護者の就労を基本に保育の必要性と必要量を認定し、保護者に対して直接補助(個人給付)をするものである。公的保育制度は解体されて保育の供給が市場に委ねられ、保育に格差が持ち込まれてしまい、子供の成長・発達の権利が侵害されることが懸念される。さらに、新システムでは保育と幼児教育が殊更区別されている。保育は乳幼児の成長と発達を継続的に保障するものではなく、時間預かりの託児のように扱われており、これまでの保育実践の到達が無視され、保育が歪められる。憲法第二十五条、児童福祉法第二条、第二十四条などに基づき、国と自治体の公的責任、ナショナルミニマムの遵守、公費による財源保障を基本とする現行保育制度は、子供に関わる全ての制度の基本と言える。子供の成長・発達を保障するためには、この制度の基本を堅持し、拡充していくことが必要である。
 ついては、全ての子供の権利が保障され、安心して保育・子育てができる制度を実現するため、次の措置を採られたい。

一、子ども・子育て新システム関連法は実施しないこと。

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