請願

 

第180回国会 請願の要旨

新件番号 2157 件名 消費税の増税中止に関する請願
要旨  「社会保障や財政健全化のために増税はやむを得ない」という声もあるが、消費税の増税は、内需を更に冷え込ませ、格差と貧困を深刻化し、税収減による財政悪化と社会保障への負荷を高める結果になりかねない。一九九七年の消費税増税直後の景気底割れと、その後の深刻なデフレ不況を想起すべきである。増税分を価格に転嫁できない中小企業や零細業者は倒産・廃業に追い込まれ、雇用・労働条件が更に劣化するなど、悪影響の連鎖も強く懸念される。ばくだいな内部留保を持ち税負担能力の高い大企業が、内需の低迷する国内市場に見切りを付けて海外移転を加速すれば、税収は更に減少する。消費税には低所得層ほど負担が重くのしかかる逆進性問題があり、富の再配分機能が期待される社会保障の財源にふさわしくない。社会保障財源を確保しつつ財政再建を進めるためには、税収減の要因である直接税の在り方や優遇税制こそ見直すべきである。所得税の最高税率を元に戻し、法人税減税を撤回し、配当・株式譲渡益減税などの優遇措置を廃止すべきである。また、在日米軍関連経費など国民生活の向上につながらない支出の見直しも、財政再建を進める上で優先すべき課題である。今の情勢下では財政健全化よりも景気回復を優先させるべきである。大震災からの復興や急がれる防災対策、地域経済と関わる農林水産業の再生や自然エネルギー開発、多くの雇用を引き受ける中小企業への支援、公的な部門での雇用対策など、国の積極的な施策で国民生活を好転させ、内需拡大で税収増を目指すことが財政健全化の近道である。
 ついては、国民の暮らしと日本経済を守るため、次の事項について実現を図られたい。

一、「社会保障と税の一体改革」は撤回し、消費税率を引き上げないこと。

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