請願

 

第180回国会 請願の要旨

新件番号 834 件名 日本農業と地域経済に深刻な打撃となるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に反対することに関する請願
要旨  農産物の輸入が増え、米価が底なしに下落する中、農家経営が続けられない事態が急速に広がっている。農業と農村の再生に最も必要なのは、農家が安心して生産に励む条件を整えることである。価格保証や所得補償を抜本的に充実し、農産物輸入自由化をストップすることは急務である。ところが政府は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、関係国との協議を開始するとの基本方針を閣議決定した。TPPは、関税を原則撤廃し、農産物の輸入完全自由化を進めるものであり、日本の食料自給率は一四%まで低下し、米の自給率は一割以下になる。農産物の関税撤廃は世界のすう勢どころか、農産物輸出国であっても、農産物の平均関税率はEU二〇%、アルゼンチン三三%、ブラジル三五%などと高く、日本は既に平均一二%まで関税を下げており、鎖国どころか世界で最も開かれた国の一つになっている。被害は、農業と食糧の問題にとどまらず、農業関連産業を含め、TPPへの参加は疲弊している地域経済を一層破壊するものである。日本経団連などは、「乗り遅れるな」などとあおり立てているが、恩恵を享受するのは自動車、電機などの一部の輸出大企業だけである。自国の食料の在り方は、その国で決めるという「食料主権」―関税など国境措置の維持強化、価格保証などの農業政策を自主的に決定する権利を保障する貿易ルールこそが、日本にも、国際社会にも求められている。そのためにも、日本農業と地域経済、国民生活を土台から破壊するTPP参加に断固反対することを、緊急に求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の協議開始は行わないこと。

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