請願

 

第180回国会 請願の要旨

新件番号 414 件名 三十人学級の早期実現、私学助成の削減撤回・大幅増額等全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願
要旨  三月十一日に発生した東日本大震災により、東日本一帯は甚大な被害を受け、多くの子供たちが被災し、避難所生活や他地域への転校などを余儀なくされた。学校そのものが壊滅的な被害を受け、授業再開どころか使用不能となったものもある。被災地の一日も早い復興と、子供たちが安心して通える学校をつくるための緊急予算措置を政府・文部科学省に求める。二〇一一年四月、教育全国署名運動と国民の声によって三十一年ぶりに学級編制基準が改正され、国の責任で小学校一年生三十五人学級が実現した。既に、独自で少人数学級を実施していた自治体ではこれを活用し、更に広げていく動きも活発になっている。本来、文部科学省の計画では小学一・二年生三十五人学級実施のはずであった。その分も含めて二〇一二年度は、国の責任で大きく前進させなければならない。公立高校の授業料不徴収と私立高校生等への就学支援金が制度化され二年目になり、文部科学省は受益者負担主義から教育の無償化に向けた第一歩を踏み出した。しかし、公立高校の学校納付金の高さ、私立高校の学費に対する就学支援金の低さや学費(学納金)全体への補助制度の不十分さなど、真の教育の無償化には程遠い実態も明らかになっている。与野党の一部から「震災復興のために公立高校授業料不徴収をやめるべき」という本末転倒な意見も出てきている。復興を口実に教育費の切下げを行うのではなく、むしろ、教育を復興の柱に据えて取り組むべきである。政府が留保している国際人権規約「中等・高等教育の漸進的無償化条項」の実行を求める。
 ついては、子供たちが人間として大切にされる学校、憲法と子どもの権利条約が生きて輝く学校をつくるため、次の事項について実現を図られたい。

一、東日本大震災からの学校と教育の復興予算を抜本的に拡充すること。
二、行き届いた教育の実現のため、国の教育予算を大幅に増やすこと。
三、教育費の無償化、父母負担の軽減を進めること。
 1 小中での教育活動に不可欠な教材費、給食費など学校納付金を無償にすること。
 2 高校・大学生に対する給付制の奨学金制度、高校生を対象にした就学援助制度を創設すること。
 3 私立高校の学費負担を軽減するため、就学支援金・私学助成を拡充すること。
 4 年収五百万円以下の家庭の子供について、高校、大学の学校納付金を無償にすること。
四、教育条件の整備・改善を進めること。
 1 国の責任で小学校・中学校・高等学校の三十人以下学級を実現すること。
 2 子供たちと向き合える時間を確保するため、教職員を増員すること。
 3 定時制高校をなくさないこと。
 4 障害のある全ての子供たちの教育の充実に向けて、教職員を増やし、教育条件を整備すること。
 5 学校の耐震化を進めること。

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