請願

 

第180回国会 請願の要旨

新件番号 234 件名 難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合対策に関する請願
要旨  難病と言われる病気は五千から七千もある(厚生労働省調べ)と言われ、そのうち国の難病対策として研究対象になっているのは、難治性疾患克服研究事業として臨床研究分野百三十疾患(うち医療費公費助成対象の特定疾患は五十六疾患)、研究奨励分野二百十四疾患(平成二十二年度)を指定しているにすぎない。また、小児慢性特定疾患治療研究事業では五百十四疾患を指定しているが、二十歳の誕生日から医療費の公費助成は打ち切られる。さらに多くの長期慢性疾患は医療費の公費助成を受けることができない。保険適用外の未承認・適応外薬を使用せざるを得ず、高額の医療費負担を余儀なくされる患者も少なくない。これらの患者は、病気による苦しみや進行の不安、重症化など多くの苦しみに加え、重い介護が家族の負担になる場合が多く、経済的、精神的にも大変厳しい状況に置かれている。さらに専門医の不足や地域医療の崩壊、医療制度や福祉制度の変化や複雑な制度の狭間(はざま)で、ますます厳しい療養生活を送りながら、生涯にわたる医療費の負担にあえいでいる。難病は決して特別な人だけがかかる病気ではなく、いつ誰がかかるか分からない。難病患者や長期慢性疾患の患者、子供の難病患者とその家族が、安心して治療を受け、社会で生活していくことができるよう、総合的な難病対策が一日も早く確立されるよう求める。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、医療、福祉、年金、介護、就労支援などを含めた、総合的な難病対策の実現を急ぐこと。
二、高額療養費制度の見直しを行い、患者負担を軽減すること。生涯にわたって治療を必要とする難病や長期慢性疾患の医療費助成施策の拡充を行うとともに、当面、難治性疾患克服研究事業及び特定疾患治療研究事業の対象疾患を大幅に拡充すること。
三、難病・慢性疾患の子供たちの医療費助成制度の拡充、特別支援教育の充実を進めること。特に小児慢性特定疾患治療研究事業対象者の二十歳からの医療費助成を継続(いわゆるキャリーオーバー問題の解消)すること。
四、全国どこに住んでいても我が国の進んだ医療が受けられるよう、専門医療の充実を図るとともに、医師、看護師、医療スタッフの不足による医療の地域不平等の解消を急ぐこと。
五、都道府県難病相談・支援センターの活動の充実と患者・家族団体の活動を支援し、難病問題についての国民的な理解を促進するため、全国難病相談・支援センターの設置を検討すること。

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