請願

 

第179回国会 請願の要旨

新件番号 388 件名 震災復興事業を円滑に進めるための財源確保に関する請願
要旨  三月一一日、太平洋東北沖を震源地とする巨大地震が発生し、これによる大津波が東北から関東にかけた太平洋沿岸の広範な地域を襲い、二七、〇〇〇名余りの犠牲者、多数の家屋施設の流失、広大な地域の水没など、大規模な被害が発生した。地震と津波で東京電力福島第一原子力発電所が損壊し、放射能漏れという非常事態が続いている。東日本大震災は、一瞬にして地域社会、経済を崩壊させただけでなく、素材、燃料などの生産拠点にも被害が生じ、被災者救援の停滞や労働者の雇用にも影響するなど、二次・三次の被害を大きくし、影響は極めて広範である。それだけに、大胆な被災者・被災地支援、復旧・復興事業の実施が求められている。一九九五年の阪神淡路大震災からの復興も教訓に、被災者の住宅や営業再建への支援など、マイナスからではなくせめてゼロスタートを求める被災者の要求に応える必要がある。被災者に自己責任を強制し、開発優先、経済活動重視の復興事業となれば、格差と貧困は固定化され、地域社会再生を困難にする。それは過去の災害の教訓でもある。被災地の復興を円滑に進めるためにも、日本社会全体での雇用の安定や、最低生活を保障する医療、福祉、教育制度の整備などの施策拡充が重要である。大震災被災者や原発事故被害者の生活再建を最重視し、地域社会の復旧と地域経済の再生・復興を最優先した震災復興策の具体化を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、震災復興事業を円滑に進めるため、財政の無駄を削るとともに「震災復興債」を発行して巨額な内部留保を蓄積している大企業に引受けを求め、必要な財源を確保すること。
   被災者を苦しめ、消費を更に後退させる「復興税」などの庶民増税は行わないこと。軍事費削減や不要不急の大規模プロジェクトを中止して公共事業を組み替えるなど、国の歳出を被災地復興事業や生活・仕事再建、雇用安定に集中すること。

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