請願

 

第179回国会 請願の要旨

新件番号 240 件名 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉参加の是非に関し、国民に開かれた真摯な議論及び早期の不参加表明を求めることに関する請願
要旨  ニューヨークの国連内で開かれたオバマ米大統領との首脳会談において、野田総理はTPPに関し「参加か不参加かしっかりと議論し、早期に結論を出す」と表明した。内容が不明なまま、また国会において何ら議論されていないまま、TPP交渉への参加が一方的に表明されるのではないかとの疑心暗鬼が国民の間に広がり、今後の動向を大変危惧している。資源に乏しい日本にあって自由貿易は必要であり、二国間例えばEU、韓国、中国等とのFTA・EPA交渉は有用であり、既にオーストラリアとの交渉は進んでいるが、そうした二国間の交渉においては、センシティブ品目についてお互いの産業構造や国民世論に考慮しながら進めていくのが、本来あるべき外交の姿である。ところが、TPP交渉においては、主題は農林水産業への打撃だけでなく、また単なる貿易関係にもとどまらず、医療制度や医薬品認可、食品の安全基準、労働慣行、国際係争の裁判システムなど二四の分野にわたり、各国の基本政策や制度そのものを単一なものに統合するという交渉になっている。しかも交渉への参加段階で九か国の同意、さらにはアメリカ議会の事前承認が必要であり、関税をゼロにすることを宣言して加盟の交渉に入らなければならない。これに参加することとなれば、既に東日本大震災、福島原発事故で大変な被害を受けている日本の農林水産業・中小地場産業にとって致命的な打撃になる。しかも交渉に参加しても、TPP締結までその協議内容は非公開で秘密裏に交渉が進み、国会における専門的議論も、国民として理解を深めるための議論もできなくなる。また協議参加後に、協議内容の不利を悟って交渉を途中離脱することは理論的には可能であるが、国際信義上また現下の厳しい国際情勢において日本外交に深刻な悪影響を与えることは必至である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、TPPについては、早急に国会と国民に情報を開示し、しっかりと議論した上で、TPPの危険性とそれがもたらす惨禍を理解の上、TPP交渉への不参加を早期に表明すること。

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