請願

 

第179回国会 請願の要旨

新件番号 184 件名 司法修習生の給費制の復活を求めることに関する請願
要旨  二〇〇四年、司法修習生への給与を廃止して、貸与制へ切り替える法改正がされた。司法は市民の命や生活を大きく左右する国家作用であり、法曹はこの司法の担い手である。特に弁護士は、唯一民間の立場にある法曹として、権力から人権侵害を受けた市民に寄り添い共に対抗する使命を与えられている。労働者・子供・企業・犯罪被害者等、あらゆる立場から基本的人権の擁護と社会正義の実現を目指す弁護士を含め、高度な技術と倫理感が備わった法曹を養成することは、国の責任である。司法修習生は、裁判官・検察官・弁護士になる法律家の卵として、将来の進路にかかわらず、全ての分野を修習し、法曹三者全ての倫理と技術を学ぶことが、それぞれの立場から権利保障を実現するという司法制度の基礎になっている。このような趣旨に基づき、司法修習生は修習期間中のアルバイトを禁止されるなど厳しい制限を受け、その代わり、国家は司法修習生に対し給費で生活を保障してきたが、その給費が何らの補償もないまま全額カットされようとしている。現在、法科大学院生の半数以上が平均三二〇万円の借金を背負っており(日弁連のアンケート)、この上、司法試験に合格しても他業を禁じられ、生活費を国からの借金(約三〇〇万円)に頼ることになれば、経済的理由から法律家になる夢を諦める人が増大しかねない。現に法科大学院の志望者数が七年前の五分の一にまで激減している。給費制は、市民自らが市民のための法律家を育てる制度であり、弱い立場へ追われがちな市民の目線で行動する法律家が必要である。
 ついては、市民の権利の守り手たる法律家を、今後も市民の手でしっかりと育てていくため、次の事項について実現を図られたい。 

一、裁判所法を改正して、司法修習生の給費制を復活すること。

一覧に戻る