請願

 

第177回国会 請願の要旨

新件番号 1338 件名 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願
要旨  我が国の透析患者は二〇〇九年末で二九万人となっており、対人口比では世界で最も多いが、二〇〇九年には三万人も、特に最近は糖尿病性腎症からの患者が急増している。近年透析技術の飛躍的進歩により長期延命が十分可能になり、患者は健常者と変わらない高い生活の質を得られ、多数が社会復帰をして労働とともに様々な社会活動にも参加している。日本透析医学会の調査では一〇年以上の透析経験を持つ患者は七万人を超えている。一方、患者の急速な高齢化や長期透析による合併症、糖尿病性腎症を原疾患とする透析患者の増加などで視力障害を始め、下肢障害など合併症の重度化・重複化により日常生活に多くの困難を抱えている患者が増えている。透析患者の一五%以上が介助を必要とし、継続した治療が必要な透析患者においては、長期入院施設の不足、透析治療が可能な介護・生活施設の不足、通院困難者への対策などを早急に講じなければならない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、腎疾患の発症と重症化予防に向けた総合的な対策を進め、これ以上透析患者が増えないようにすること。 
二、介護が必要な透析患者が介護保険を利用できるようにすること。取り分け通院困難な透析患者の通院を保障する体制を公的に整備すること。 
三、感染症による透析患者の死亡を減少させる対策を講じるなど、患者に安心で安全な医療を提供すること。 
四、透析医療における医療従事者及び透析患者に関わる福祉従事者の不足を速やかに解消すること。 
五、移植希望者が長く待機しなくてよいように、移植医療の普及推進に向けた更なる体制整備を行うこと。 
六、国内のどこで大災害が発生しても対処できる人工透析提供体制の確立に向け、更に十分な対応を行うこと。

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