請願

 

第177回国会 請願の要旨

新件番号 975 件名 日本農業と地域経済、暮らしと雇用を壊すTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加しないことに関する請願
要旨  菅内閣が参加を目指しているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、例外なしに全品目の関税を撤廃する多国間自由貿易協定であり、日本が参加するなら、多方面に深刻な影響が出ることは、政府の試算からも明らかである。農林水産省の試算では、日本の食料自給率は現在の四〇%から一四%に激減し、米の自給率も一〇%以下になってしまう。地球温暖化の進行を食い止め、食料危機を解決することは人類の緊急課題になっている今、どの国も農業や漁業、林業を振興する政策を採っている。多様で豊かな自然に恵まれた日本が食料生産を高め、国土を保全することは、日本と世界の人々に対する責任であり、内閣府調査でも、食料自給率を高めるべきと答えた人が九一%、将来の食料輸入に不安があるとの回答が八六%に上っている。しかも、TPPの影響は農業にとどまらず、農水省の試算では関連産業を含めて三四○万人もの雇用が失われ、経済産業省の試算でTPPに参加しない場合に想定される雇用減八一万人をはるかに超え、北海道庁の試算でも地域経済への打撃は破壊的であることが報告されている。この十数年、アメリカを先頭に自由貿易が推奨され、日本の輸出大企業は非正規雇用への置き換えや賃下げ、下請単価切下げなど極限のコスト削減でばくだいな利益をため込む一方で、働く四人に一人、一、一○○万人がワーキングプアという貧困と格差社会がつくられた。今回、TPPが突然浮上してきた背景にも、自国の輸出拡大を狙うアメリカ政府と輸出大企業の一層の利益を追求する日本財界の強い要求がある。
 ついては、国民の暮らしと雇用、日本農業と地域社会を守るため、次の事項について実現を図られたい。 

一、TPPへの参加をしないこと。

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