請願

 

第177回国会 請願の要旨

新件番号 792 件名 石綿(アスベスト)対策基本法の制定に関する請願
要旨  「石綿による健康被害の救済に関する法律」(以下「石綿救済法」)は、二〇〇六年三月から施行されたが、深刻なアスベスト健康被害に苦しむ患者・家族や広範な労働者・国民が求めてきた完全補償とは程遠い不十分なものである。その根幹は、国がアスベスト被害の拡大の責任を認めていないことにある。多数のアスベスト被害が発生したのは、国が十分な対策を採ってこなかったためであり、二〇一〇年五月、大阪地方裁判所もアスベスト被害について国の責任を認める判決を言い渡した。石綿救済法は施行後五年以内に見直すことが定められているが、(一)国はアスベスト被害を防止できなかった責任を認め、被害者に謝罪し被害の補償を行うこと(二)補償は少なくとも公害健康被害補償法と同水準とし、対象疾病を拡充するとともに、認定基準は労災認定基準に準拠させること(三)原因者(汚染者)負担の原則に基づく「アスベスト健康被害補償基金」を創設すること、さらに予防までを行う基本法の制定などを求める。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、「石綿による健康被害の救済に関する法律」を抜本的に改定し、「石綿(アスベスト)対策基本法」とし、被害補償から予防対策まで一体のものとすること。
二、時間的制約から「石綿(アスベスト)対策基本法」の制定が困難な場合でも、石綿救済法を補償法に改め、補償金額を公害健康被害補償法による補償と同等にするなど、救済内容を充実させること。
三、「石綿救済法」を「石綿による健康被害の補償等に関する法律」に改め、被害補償を行うことを明記すること。
四、請求期間(時効)を設けないこと。
五、全ての被害者が補償や健康管理を受けられるよう医療体制の拡充を図ること。
六、アスベスト含有建材や産業廃棄物の除去対策、解体などでの飛散防止対策強化をすること。

一覧に戻る