請願

 

第177回国会 請願の要旨

新件番号 293 件名 子ども・子育て新システムを導入しないことに関する請願
要旨  現行保育制度は、国と自治体の公的責任、最低基準の遵守、公費による財源保障と応能負担を制度の柱にしており、全ての子供の保育を受ける権利と発達を保障するためには、現行保育制度の堅持・拡充こそ必要である。しかし、政府が検討を進めている「子ども・子育て新システム」は、全ての子供を社会全体で支援するとしながら、直接契約を基本とする保育の市場化と公的責任の縮小、最低基準の廃止、保育料の応益負担の導入、拙速な幼保一体化などを提案している。これらは現在の保育水準を低下させ、子供と保護者、保育者に一層の負担を強いるだけでなく、経済的に困難な家庭や障害のある子供など福祉を必要とする家庭や子供が排除されかねないこと、また施設の安定的な運営が困難になることなどが危惧され、さらに財源確保についても明確に示されていないことも問題である。子供の貧困、子育て困難が広がり、待機児童解消が緊急の課題になっている状況を踏まえれば、国と自治体の責任を確保しながら、関連予算の大幅増額により、保育・幼児教育・子育て支援・学童保育の制度を拡充すべきである。全ての子供に質の高い保育を受ける権利を保障する立場から「子ども・子育て新システム」の導入に反対し、現行制度を解体するのではなく、財源確保の上で保育・幼児教育・子育て支援・学童保育施策の拡充を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、保育を市場化し、国・自治体の責任を後退させる「子ども・子育て新システム」を導入しないこと。
二、幼保一体化の検討は拙速に結論を出さず、子供を含む当事者の意見を基に、慎重に行うこと。

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