請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 1026 件名 公営住宅に関する請願
要旨  年収二〇〇万円以下のワーキングプアが一、〇〇〇万人を超えるとともに、厚生労働省が一〇月に発表した相対的貧困率は一五・七%に達し、国民の貧困化が深刻な状況にあることが明らかになった。中でも非正規労働者は、雇い止めや派遣切りで職を失うと同時に住まいまで喪失し、路上生活を余儀なくされ社会問題になっている。公的賃貸住宅の拡大充実を図り、国民の居住の安定を一義的な政策的課題とすることが緊急の課題となっている。取り分け公営住宅の大量供給促進と住宅保障が国民的要求となっている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、公営住宅を増やし、皆が入居しやすい制度にするために
 1 入居収入基準を引き上げること。
    公営住宅制度は二〇〇九年四月より入居収入基準が大幅に引き下げられた結果、公営住宅へ超低額所得者及び高齢者世帯が集住化し「限界団地」の様相を呈し、コミュニティの崩壊が進行している。当面少なくとも入居収入基準を一九九六年の公営住宅法改正前の三三%に戻し、公営住宅団地の再生とコミュニティ活性化の方策を求める。
 2 暮らしが成り立つ家賃制度にすること。
    入居収入基準の引下げに伴い家賃算定基礎額が変更され、また諸係数が引き上げられた結果、家賃が大幅に値上げされ、居住者の暮らしが脅かされている。
 3 人間居住にふさわしい文化的な広さと設備の整った公営住宅にすること。
    一九七〇年前後一〇年間に建設された大量の公営住宅は、老朽化はもちろん、住宅設備が陳腐化している。人間居住にふさわしい広さと設備を備えた住宅にリニューアルするか、建て替えの促進を求める。また、建て替え新築住宅でも一DKをやめて介護等が容易にできる二DK以上の住宅を求める。
 4 安心して住み続けられる公営住宅制度にすること。
    入居収入基準の引下げは、収入超過者を大量に生み出し、全国で二〇万世帯以上が退去を迫られている。また、国は、(一)入居承継を原則配偶者にする厳格化、(二)一方の配偶者の死去に伴う単身者に対する追い出しと家賃の値上げ、(三)入居条件に資産反映等を事業主体に求めている。これらの施策は、入居者にとっては居住の安定が脅かされ、安心して住み続けることができない。

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