請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 956 件名 不妊患者の経済的負担軽減に関する請願
要旨  現在、不妊治療では、人工授精や体外受精など高額な治療の大部分が、健康保険の適用されない自費診療で行われており、患者に大きな経済的負担がのしかかっている。不妊治療は検査が必須であり、健康保険がきかないものが多く残っている。また、人工授精や体外受精を行うためには排卵誘発剤などの薬剤が必要であり、体外受精の場合では、一回につき、薬剤だけで十数万円掛かるケースも少なくない。そのため一回の施術料だけで数十万円の高額な費用が掛かる上に、検査費用や薬剤費用が加算される。このように、不妊治療は、経済的に大きな負担となっており、治療を続けるために貯蓄を切り崩したり、治療費を捻出(ねんしゅつ)できずに子供をあきらめるカップルが多数おり、極端な場合は借金までして治療を続けるカップルもある。
 ついては、不妊治療の経済的負担の軽減のため、次の事項について実現を図られたい。(資料添付)

一、特定不妊治療費助成事業より給付される補助金の更なる増額と制度(条件等)を見直すこと。
   公的な支援として二〇〇四年からスタートした特定不妊治療費助成制度は、内容の見直しも進められ、二〇〇九年度は特定不妊治療費助成事業において、一年度当たり一回一五万円、二回までとし、通算五年支給(夫婦合算の所得ベース七三〇万円までの所得制限有り)に引き上げられた。しかし、実際に不妊治療を受けるに当たり十分とは言えず、所得制限の緩和等の適用条件も更なる見直しを求める。近年、不妊患者の年齢は上昇傾向にあり、治療は時間との戦いでもあるが、高額な治療費が原因で思うままに治療を受けられないカップルも大勢おり、現在の仕組みは、使い勝手が良いとは言えない。五年間も治療を続けることの精神的・肉体的負担を考えると、短期間で自由に治療ができる環境を整える方が便利である。
二、不妊治療の保険適用範囲を拡大すること。
   不妊症は一〇組に一組という頻度の高い病気である。しかし、一般には広く知られていないため、五〇年以上も前から行われている人工授精ですら保険に認められておらず、排卵誘発剤も体外受精のために使う場合は、卵巣機能不全が原因だったとしても保険に認められていない。

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