請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 840 件名 脳脊髄液減少症に関する請願
要旨  脳脊髄(せきずい)液減少症は、二〇〇二年に発見され、二〇〇七年には厚生労働省から研究費二、五〇〇万円が付いたが、研究内容が全く公表されず進捗(しんちょく)状況が分からない。海外でも脳脊髄液減少症の研究が始まった。病名すら知らない医師からは、別の病気と誤診され、誤った薬の処方から副作用を出し、命にかかわる二次的被害者も出ている。脳脊髄液減少症の治療(ブラッドパッチ)に健康保険の適用がないため、患者は働けない現実から治療費も捻出(ねんしゅつ)できない。しかし、ブラッドパッチは三〇年以上も前から施術されており、この治療法に健康保険の適用申請が医学会から提出されていなかった結果、適用がないだけであり、医学会と厚生労働省の問題である。生活保護世帯においては、治療に関してもあきらめざるを得ない現実がある。治療が後れると症状は悪化し、機能全廃や機能不全になるが、医師から障害認定の診断書すら書いてもらえない。多彩な症状から肉体的苦痛を医療機関で訴えても、不定愁訴として扱われ、精神的にも追い詰められていく。調査の結果、症状がある上に、医療機関や周囲の無理解から言葉の暴力を受け(ドクターハラスメント・セクシャルハラスメント)、七〇%が一度は自殺を考えていることが分かった。診てくれる病院にたどり着くまで平均二年半以上も掛かっており、全国的にも診てくれる病院は一〇〇もなく、公表されている病院は一部である。ようやくたどり着いても、受診の予約待ちが三か月~二年も掛かり、早期発見・早期治療につながらない。脳脊髄液減少症は、外的要因で発症し、原因で最も多いのは軽微な交通事故(六八%)、転倒、スポーツ、医療事故等であり、だれがいつ発症するか分からない。全国の患者は推定でも三〇万人以上になると言われている。交通戦争が激化する中、社会的にも放置できない病気である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、これ以上の自殺者を出さないためにも、患者の権利を守る法律を制定すること。
二、脳脊髄液減少症の社会環境整備に関する法律を制定すること。
三、脳脊髄液減少症に健康保険を適用すること。

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