請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 753 件名 建設労働者の労働条件向上に関する請願
要旨  建設労働者は、厳しい状況が続いており、仕事がない、多くの労働者がワーキングプアの状態に置かれているなど将来展望が見えない。一方、前原国土交通大臣は、公共投資などの減少を理由に一層の建設業者の淘汰(とうた)を公言し、「行政サービスを受けたかったら田舎に住むな、都会に移れ」、さらには国土保全に重要な役割を果たす防災事業について「やり始めたら切りがない」とも言っている。憲法を遵守し、国民生活の向上に努めるべき国土交通大臣としてふさわしくない発言であり、撤回を求める。今、必要なことは公共事業の中身を大プロ中心から防災・生活関連・環境分野に転換し、地域住民にとって安心安全な社会資本整備を行うことを通じて、日本の基幹産業を支える中小建設業者の仕事確保を行うことである。そして、建設産業に働く者が健康で安全に人間らしく働けるルールが必要である。同時に、国がその危険性を十分認識しながら対応しなかったアスベスト被害についても、国の責任を認めた上で、その補償と被害根絶へ総合的な制度を確立することを求める。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、公共工事において、現場労働者及び下請・資材業者に「適正な賃金の確保」が行われるよう「公共工事における賃金確保法(公契約法)」を早急に制定すること。
二、建設工事現場における労働災害を一掃するため建設業界に対する指導監督を強化すること。じん肺の予防のために、トンネル建設工事における労働時間が公共工事の設計・積算では「拘束九時間、実働八時間」として定められているが、積算方法にかかわらずトンネル建設現場においては労働者の健康と安全の向上のため、八時間労働の完全実施を指導し、粉じん曝露(ばくろ)時間の削減を図ること。
三、建設現場で働くすべての労働者に建設業退職金共済制度に基づく退職金を保障するため、建退共制度の普及徹底、建退共証紙貼付(ちょうふ)の確認、建退共証紙の不正流用などの防止策を講じ、公共工事においては監督検査事項を追加して指導・監督できる発注者の根拠と体制を確立すること。また、建退共制度のIC化を検討すること。
四、いわゆる一人親方、事業主についても、労災補償の対象とし、救済すること。

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