請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 31 件名 学費の負担軽減、高等教育予算増額に関する請願
要旨  大学の学費(授業料・入学料など)は、国立大学で八○万円、私立大学で平均一三○万円に上り、お金がなくて勉学をあきらめる若者が増え続けている。国際人権規約では、学費を段階的に無償にするとしている(第一三条二項c)が、この条項を留保しているのは、日本とマダガスカルだけで、ほとんどの先進国では、授業料は無料か極めて安く、奨学金制度でも返済しなくてよい給付制が中心に据えられている。学ぶことは人間らしく生きる上で不可欠であり、若者が学んでこれからの社会の担い手として成長してこそ、人類が課題を解決し、新しい時代をつくる道も開ける。経済的理由で学業をあきらめる若者をなくそうと各地の大学で学費を減らす動きが始まっている。学びを守る社会を実現し、教育を受ける権利(憲法第二六条)を保障するため、政府が責任を持って手立てを講じることを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国際的にも高過ぎる学費を、これ以上値上げせず、段階的な値下げに踏み出すこと。
二、お金がなくて学べない若者を生まないため、政府の責任で、学費の負担を減らすこと。
 1 授業料免除を、年収四〇〇万円以下の家庭の学生はすべて受けられるようにし、さらに実情を踏まえた軽減措置を広げること。
 2 奨学金では無利子枠を増やし、給付制をつくるとともに、卒業後は、年収三〇〇万円以下のすべての人の返済を猶予すること。
三、老朽化して危険な施設を速やかに改修し、特に学生寮を充実すること。
四、以上を実現するため、高等教育予算の削減をやめて増額すること。

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