請願

 

第173回国会 請願の要旨

新件番号 608 件名 公共事業における公正な賃金・労働条件の確保等に関する請願
要旨  相次ぐ地震のたびに国民の命と財産が奪われ、道路などライフラインも被害を受けて、震災後の復興に支障を与えている。また、温暖化による異常気象が原因と考えられる高潮や洪水による被害も頻発し、国民の安心と安全にとっても脅威になっている。日本は活発な火山帯に位置し、台風の常襲地帯でもあり、様々な被害を受けやすい上、最近では大規模地震の切迫性の高まりや、ゲリラ豪雨等によって防災機能の充実は急務となっており、公共事業の在り方を防災・生活重視型に転換することが求められている。また、高度成長期に造られた多数の構造物がこれから更新期を迎え、更新や補修などの維持管理が重要な社会問題となっている。さらにアスベスト・粉塵(ふんじん)問題では飛散防止対策や解体・改修現場での早急な施策が求められている。建設業は、産業自体が消滅しかねない重大な危機に陥っており、長引く不況や公共事業抑制による市場の縮小と脱談合を名目とした競争の激化によって、ダンピング受注や下請代金・賃金の切下げ・遅延・不払などが横行し、経営破綻(はたん)や建設労働者にそのしわ寄せが強いられており、早急な経済支援対策を実施する必要がある。
 ついては、国民の安全・安心の願いにこたえる公共事業を実現するため、次の事項について実現を図られたい。

一、公共事業を防災・生活・環境保全優先に転換すること。
 1 アスベストの飛散防止や適切な処理方法を早急に確立するとともにアスベスト曝露(ばくろ)に伴う健康被害を防ぐこと。じん肺・アスベスト被害者の労働災害認定基準を大幅に緩和し、被害者に対して補償すること。また、家族、周辺住民なども同等の補償を行うこと。
二、公正な賃金・労働条件と業者の適正な収入・仕事を確保すること。
 1 公契約法(公共事業における賃金等確保法)を制定するなど法体系を整備し、下請及び資材業者と労働者に対し適正な単価と賃金・労働条件が確保される仕組みをつくること。
 2 建設業及び建設関連業の各業種について労働者派遣法の適用対象としないこと。

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