請願

 

第173回国会 請願の要旨

新件番号 451 件名 膵嚢胞線維症の治療環境を実現することに関する請願
要旨  膵嚢胞(すいのうほう)線維症は、全身の外分泌腺(せん)の正常な働きが阻害される子供の慢性難治性疾患であり、粘度が異常に高まった分泌物による分泌腺の閉塞(へいそく)は、特に肺や膵臓で著しいため、呼吸や消化などの重要な身体機能を低下させ、適切な治療が行われないと、患児は短期間で死に至る。欧米では約二、五〇〇人に一人と高率であるのに対して、日本では約三五万人に一人と推定される極めてまれな疾患である。欧米では、従来、この疾患の子供の平均余命は七~八歳であったが、現代医療の進歩と治療環境の改善により余命は三〇歳を超えた。しかし日本では、薬事法等の制限により、WHO等による国際的に標準化された治療が困難であるため、その余命は、一〇代半ばと考えられ、生存者は三〇名に満たない。さらに二〇歳までは、小児慢性特定疾患の対象疾患として、公費による治療費の援助が受けられるが、二〇歳以上では打ち切られる。欧米との治療格差を是正し、一刻も早い適切な治療環境を整えることが求められている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。(資料添付)

一、治療が困難な膵嚢胞線維症の疾患に必要な治療環境を整えるため、「難治性疾患克服研究事業」から、医療費が高額な疾患に対する医療費助成「特定疾患治療研究事業」の対象疾患とすること。
二、海外で基本的な薬剤として使用されている消化酵素、抗生剤などの吸入剤・酵素製剤等を認可し、保険適用とすること。

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