請願

 

第173回国会 請願の要旨

新件番号 256 件名 地域医療の再生を求めることに関する請願
要旨  日本の医療システムは、公的医療費が抑制される中でも、今日まで現場の医療関係者の努力で支えられてきた。しかし、これまでの長時間・過重労働に加え、医療技術の進歩、医療安全や丁寧な病状説明に対する期待の高まりなどで、特に勤務医の労働環境は悪化するばかりである。産科・小児科、救急医療を始め全国で勤務医不足が顕在化し、医療崩壊が広がっている。日本の医師の絶対数不足は、国際比較でも明らかで、特に勤務医不足は深刻である。今後、団塊世代の高齢化で医療需要が増大すれば、大量の医療難民が発生する。こうした状況の中、政府は「日本の医師は不足している」と認め、さらに超党派の議員連盟が発足し医療崩壊阻止に立ち上がり、厚生労働大臣は「従来の閣議決定に代えて、医師養成数を増加させる」と表明した。日本より先に同様の医療危機に直面したイギリスでは、既に医学部の定員を五九%も増やしている。必要な予算措置を採り、実効ある対策を早急に実施することで、医療崩壊を阻止し、国民皆保険制度に対する信頼を回復するように努めなければならない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、地域医療を守るために、勤務医が働き続けられるよう抜本的な施策を早急に講ずること。
二、生涯にわたって全国どこでも医師が学び続けられるように、指導医の確保など医師研修制度を充実させること。
三、それらに必要な予算措置を採ること。

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