請願

 

第171回国会 請願の要旨

新件番号 2629 件名 ソマリア沖への自衛隊派兵及び海賊対処派兵新法反対に関する請願
要旨  昨年から、各国がソマリア沖に軍隊を派兵し、我が国も三月に自衛隊を派兵したが、海賊事件は増えており、国際海事局(IMB)は「軍事介入は、海賊の凶暴化を招きかねない」と警告してきたが、米軍が人質救出のために海賊三人を射殺したことに対し、海賊が報復を宣言している。さらに、アルカイダ系組織が各国軍艦に対する攻撃を呼び掛け、アメリカは、ソマリアのイスラム系過激派組織の訓練キャンプに対する軍事攻撃を検討している。力でねじ伏せるやり方は事態を悪化させる。海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案は、他国の船舶に「著しく接近」「つきまとい」「進行を妨げる」というだけで、海賊への発砲を認める法案になっている。これは、従来の正当防衛としての武器使用の基準とは異なり、基準の拡大は、銃撃戦や海賊の殺害、船の撃沈も可能にし、P3C哨戒(しょうかい)機が爆弾を投下し、海賊船を撃沈するおそれも出てくる。いったん武器使用を許せば、本格的な武力の行使に道を開くことになり、法案は違憲である。憲法第九条を持つ日本がやるべきことは、自衛隊の派兵ではなく、ソマリアの内戦終結と貧困解決のための外交努力と民生支援である。そもそも海賊対策は犯罪対策であり、マラッカ海峡での海賊対策に貢献した実績もある海上保安庁の経験と力をいかし、資金、技術面での周辺国への援助を始め国際協力をすべきである。根本的にはソマリアの無政府状態を解決し、国民生活を安定させるための外交努力と民生支援こそ行うべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、ソマリア沖に派兵した自衛隊を撤退させること。
二、海賊対処法案(略称)を徹底的に審議し、廃案にすること。

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