請願

 

第171回国会 請願の要旨

新件番号 154 件名 学費の負担軽減、大学予算増額に関する請願
要旨  大学の初年度納付金(入学料・授業料など)は、国立大学で八○万円、私立大学で平均一三○万円を超えている。アルバイトに追われ、生活費を切り詰める学生は少なくなく、進学断念や中退に追い込まれる若者も増え続けている。貧困と格差が広がる中、「お金の心配なく学びたい」の願いにこたえることが、切実に求められている。多くの国では、経済状況に左右されずに安心して学べるよう、政府が手立てを尽くしており、フランスやスウェーデンなど欧州諸国では、学費が基本的に無償である。アメリカやイギリスでは、所得に応じた学費の減免制度が充実している。日本の奨学金制度は有利子が中心だが、欧米では、返還の必要のない給付制が柱に据えられている。日本の学費は、世界でも異常な高さであり、無償教育の漸進的導入を定めた国際人権規約第一三条二項cを留保しているのは日本、ルワンダ、マダガスカルの三か国のみである。高等教育予算を見ても、国内総生産(GDP)比で日本は○・六%にとどまり、OECD諸国の中で最低である。大学予算を増やして教育への責任を果たすという、世界では当たり前の道に転換すべきである。学ぶことは、人間らしく生きる上で不可欠の営みであり、社会の発展にとっても、将来を担う若い力を育てることが必要である。憲法第二六条は教育を受ける権利を定めており、これを保障するために政府が責任を果たすことを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、学費の負担を軽くするために、政府が、責任ある手立てを採ること。
 1 国立大学の運営費交付金を増やし、授業料と入学料の標準額を値上げせず、値下げに踏み出すこと。
 2 私学助成、特に経常費一般補助を増やし、学費値下げの条件を整えること。
 3 学費減免制度や無利子奨学金枠を拡充し、給付制奨学金を導入すること。
二、以上の項目を実現するために、大学予算の削減をやめて増額すること。

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