請願

 

第170回国会 請願の要旨

新件番号 139 件名 日系人の入国滞在許可証を求めることに関する請願
要旨  海外にはいろいろな身分で外国国民として暮らす日本人の子がおり、併記制度の廃止で、日本国籍を選択していない海外の国籍留保者にも独自の日本旅券が発給されるようになったが、国籍留保者が外国旅券を取得し、複数旅券を使えば国民意識の整理が難しく、適切な国籍選択が困難になる。また、帰化や外国籍選択で日本国籍を失えば日本旅券が使えなくなるため、日本旅券に代わる特殊な入国滞在許可証を、外国旅券と同期限で貼付(ちょうふ)発給すれば、日本人カウンターから入国を認めることができる。日本人の子を始めとする日系人の多くは既に戸籍に記載され、長期滞在に外国人登録は不要であり、日本の家族の元で暮らす場合、家族の住民票への付記を許可し、永住者と同等の住民権を認め、相手国との協定がない場合、転出後も継続して日本の年金制度加入を認め、滞在や移動の便宜を図るよう求める。海外に流出した人材を呼び戻すため、重国籍を認める国が増えているが、旅券や参政権の重複など問題点が多く、重国籍者は主に住む国の国民とみなされ、本国側の外交保護は及ばないとされている。国民の身分証明書である旅券は、当面外国国民として暮らす国籍留保者や外国帰化者などのアイデンティティーの証明書として適切ではない。日本は二二歳が国籍選択期限であるが、一八歳で選挙権を与える国も多く、国籍留保者が日本旅券を使えば、外国側で日本国籍離脱を求められるおそれもある。また、日本人の父親に認知された子の母親の国が父系制の場合、日本国民とみなされれば、子は母親の国の国籍を失い、母親の国への入国滞在が難しくなるが、外国旅券に日系人の身分証明書があれば、戸籍に記載があっても、国籍を留保していても、日本国民ではないという証明になり、外国側からとがめられる心配がない。日本人の血統を示す家族原簿である戸籍に名前が記載されていても、旅券所持や参政権、公職権などの対外的な権利や、戸籍上の身分変更が明確に凍結されていれば、外国国民として暮らしていても外交問題は生じず、当人が日本永住を望む場合は、従来どおり宣言、届出、又は簡易帰化手続を求めることもできる。
 ついては、平和恒久を願う模範的な国として、テロや国際犯罪防止のため、次の事項について実現を図られたい。

一、日本人の子を始めとする日系人用の入国滞在許可証を発給すること。

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