請願

 

第169回国会 請願の要旨

新件番号 3410 件名 水管理の縦割行政を廃し、水管理基本法の制定に関する請願
要旨  地球上のあらゆる地域で、水環境の危機を示す兆候が姿を現しつつあり、日本でも気候、降雨の異変がもたらす洪水や渇水、水利用や農作物への悪影響などの不安が高まっているが、縦割りの水管理制度では、これまでになかった現象に有効に対応しきれず、水危機を回避できなくなるおそれがある。水の汚染は、人の健康にも生態系にも悪影響を及ぼしているが、その原因は排出される工業化学物質や金属類、農薬、医薬品、食品添加物、洗剤などであり、有害物質が水道水からも検出され、地下水も汚染される深刻な状況にある。化学物質管理の必要性が叫ばれても、縦割制度を変え、法律で定めなければ、増加する一方の有害物質を管理することも禁止することもできない。深刻な水問題を解決するため、国連開発機関は、統合的水資源管理という理念の下に、中国、インド、アフリカ諸国などで活動を展開しているが、これは、水循環を分断せず、総合的に水の質も量も守り活用しようとする考え方であり、そうしなければ、その国や地域の生命の水を守ることはできない。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、統合的水資源管理という根本的な理念の下に、国民の生命と健康を保持し、生態系と国土を保全するため、速やかに水管理の縦割行政を廃し、水循環の再生を目指す総合的な水管理基本法の制定を図ること。

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