請願

 

第169回国会 請願の要旨

新件番号 458 件名 ハンセン病問題基本法の制定、開かれた国立ハンセン病療養所の未来に関する請願
要旨  戦前から戦後にかけて、ハンセン病を発症しただけで、患者は国立療養所に強制隔離された。特効薬プロミンにより、ハンセン病は治癒するようになったが、患者の強制隔離絶滅政策を基本とした「らい予防法」は、一九九六年まで存続したために、病はいえても社会復帰は容易ではなかった。二○○一年五月のハンセン病国賠訴訟の熊本判決後の制度改革により、ハンセン病政策は大きく前進したが、ハンセン病療養所では、高齢化が進み、社会の根強い差別感情もあって社会復帰は容易ではない。それにもかかわらず、国は、ハンセン病療養所の将来についての具体策を示すことなく、入所者の動向を傍観しているのみである。平均年齢が七八歳を超えた今、入所者は、この先、療養所でどういう暮らしができるのか、どういう医療体制が確保されるのか、不安な思いを募らせている。長年強制隔離政策に苦しめられてきた入所者が、社会から切り離されることなく、社会の中で生活するのと遜色(そんしょく)ない生活及び医療が保障され、安心して暮らすことができることを願っている。ハンセン病療養所の将来の在り方は、入所者のみが取り組んで解決する問題ではなく、立法府、行政府はもとより、地方行政機関及び市民にも問われている重大な課題でもある。「らい予防法」廃止時の国会決議に基づき、ハンセン病療養所の医療・福祉を拡充し、地域に開かれた施設として、ハンセン病療養所の真の社会化が実現するよう求める。
 ついては、次の措置を採られたい。(資料添付)

一、ハンセン病問題の真の解決を図るため、「ハンセン病問題基本法(仮称)」を制定すること。
二、療養所の将来の在り方については、入所者・職員・地域住民など関係者の意見を尊重し、地域・国民のための医療・介護施設等として広く開放・発展させること。
三、ハンセン病療養所の医療・看護・介護体制の強化を図ること。

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