請願

 

第169回国会 請願の要旨

新件番号 321 件名 青年が人間らしく働き、将来への希望が持てる雇用の確保に関する請願
要旨  働く青年の五人に一人が年収一五〇万円以下で、まじめに働いても生活が成り立たないワーキング・プアが社会問題になっている。また、三人に一人が非正規の不安定な雇用の下に置かれ、青年の失業率もほかの世代の二倍近くに上る。働く現場では、サービス残業が横行し、いわゆる偽装請負や不当な解雇、有給休暇が取れない、社会保険に加入できないなど、様々な違法・脱法が横行している。こうした問題の原因は、青年の雇用を減らし、非正規化を進めてきた大企業と、構造改革の名の下に、規制緩和などでそれを応援してきた政治にある。
 ついては、青年が人間らしく働き、将来への希望が持てる社会をつくるため、次の事項について実現を図られたい。

一、政府の責任で雇用を増やすこと。
 1 政府は、不安定な非正規雇用を拡大する政策を改めること。
 2 サービス残業、過密労働をなくし、労働時間を短縮して、青年の雇用を増やすこと。
 3 医療・福祉・教育など国民生活に必要な分野での人手不足を解決すること。
二、人間らしく働くために必要なルールを大企業に守らせること。更なる規制緩和をやめること。
 1 賃金未払、社会保険への未加入、有給休暇を取らせない、不当解雇や偽装請負など、企業の違法行為の是正を強めること。
 2 働く権利を保障し、専門官が配置された青年の相談窓口をつくるなどの対策を採ること。
 3 労働者の権利を紹介するパンフレットの配布など、働くルールを知らせる取組を強めること。
 4 残業代未払を合法化したり、解雇の金銭的解決に道を開く労働法制の改悪をしないこと。
三、正規と非正規労働者の均等待遇と、安定した雇用を行うこと。
 1 正規と非正規の賃金や労働条件の格差を是正すること。
 2 青年が自立して暮らせるように、最低賃金の大幅な引上げを行うこと。
 3 正社員の中途採用を拡大し、現に派遣やアルバイトで働く青年から優先的に採用する制度を整えること。
四、これから働く青年への支援を強めること。
 1 青年の職業紹介と職業訓練を抜本的に充実すること。
 2 生活保障付きの職業訓練、奨学金の返還免除など、仕事探しをサポートすること。
 3 学生が学業と就職活動を両立できるようルールをつくること。
 4 学校教育の中で、憲法・労働基準法の学習を進めること。

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