請願

 

第169回国会 請願の要旨

新件番号 39 件名 難病患者などの医療と生活の保障に関する請願
要旨  難病等患者のほとんどは、病気の原因も治療の方法も解明されておらず、病気の進行さえも止められず、苦しい闘病、療養生活を余儀なくされている。難病や長期間慢性疾患の患者は、長期にわたって治療と投薬を必要としているが、福祉行政においても置き去りにされ、患者はもちろん家族も精神的・肉体的につらい日々を過ごしている。国は昭和四七年(一九七二年)に難病対策要綱を策定し、医療費の自己負担の解消として、医療費の公費負担制度を継続してきた。しかし、財政難を理由に制度を見直し、一九九八年五月より医療費一部患者負担を強行に導入した。患者は、就職もできず年金生活を強いられている中で、医療費患者負担は、大きな打撃であるとともに、病院から遠ざかる結果にもなりかねない。また、介護保険の導入により、保険料の徴収、一割負担など、ますます苦しい生活に追い詰められている。こうした苦しみ・困難を少しでも軽減し、希望を持って療養生活を送り、一日も早く社会復帰できるよう、このような実態と願いが行政に反映されることを求める。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、重度心身障害者等医療費助成制度に対する継続の維持、糖尿病腎(じん)症に対する早期発見、早期治療を推進すること。
二、腎疾患総合対策の確立と高齢者対策の充実を図ること。
三、特定疾患治療研究事業にかかる医療費の公的負担について、昨年、その対象となっているパーキンソン病などの軽症者を、公的負担の対象から外そうという動きがあったが、今後も従来どおり、この制度が継続実施されるよう、予算措置等を行うこと。
四、難治性疾患克服研究事業の対象となっている進行性核上性麻痺(まひ)の中の非定型例の疾患と言われている「純粋無動症」についても、積極的に治療研究を進めること。
五、障害者手帳を持っているリウマチ患者の医療費無料化と、介護保険料の引下げを行うこと。
六、リウマチ患者に自助具の無料貸出しを行うこと。
七、長期の療養を強いられる肝炎患者の生活支援のため、障害年金の認定基準の緩和による支給対象の拡大と、肝障害を「身体障害者福祉法」の内部障害の対象にすること。
八、「下垂体機能障害」と「線維筋痛症」を難病・特定疾患に指定すること。
九、すべての難病を難治性疾患克服研究事業の対象疾患とすること。
十、ウイルス肝炎患者・感染者(キャリア)救済と感染被害拡大を防止するための肝炎総合対策を至急確立すること。
十一、後期高齢者医療制度が平成二〇年四月から始まるが、患者負担にならないようにすること。

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