請願

 

第168回国会 請願の要旨

新件番号 1194 件名 電磁波の法規制と電磁波過敏症患者の救済に関する請願
要旨  携帯電話の普及により、電磁波による健康障害を訴える人が世界的に増え、WHO(世界保健機関)でも、電磁波による健康被害や電磁波過敏症をテーマに国際会議を開催しており、二○○五年一二月、電磁波過敏症という病気を正式に認めている。携帯電話基地局周辺ではうつ傾向、不眠、疲労感、心臓血管系の体調不良やがんの発症率が高いという研究報告も多数出ているが、日本では基地局がどこに何基あるのかさえ知ることができない。総務省は基地局の設置場所や数をすべて把握しているが、事業者の営業情報に該当するとして公開していないからである。WHOは二○○○年に、幼稚園、学校、遊び場の近くに基地局を建てる場合は特別な配慮が必要とする文書を出したが、携帯電話会社は乳幼児のいる住宅地や学校、病院周辺であっても住民の反対を押し切って基地局を建設するため、住民との間に全国で二○○件以上のトラブルが起き、九州では六件の裁判が進行中である。電磁波過敏症を診察・治療できる医師が数人しかいないため、ほとんどの患者が適切な治療を受けることもできず、苦しんでいる。被害の拡大を防ぐためにも、生活環境の電磁波を低減させ、発症者を救済するなど早急な対策と法規制が必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、被曝(ひばく)を減らすための対策や生体影響に関する情報を、国が収集し公表すること。
二、規制を導入する際、国は行政や業界、この問題に関心のある市民や研究者、医師が相互に対等に意見交換ができる場を設けるよう定めること。
三、電磁波で健康被害を受けた人が安全に暮らせる環境を整えるため、発症者の要望に応じて電磁波発生源を撤去・移転するよう事業者に義務付けること。

一覧に戻る