請願

 

第168回国会 請願の要旨

新件番号 749 件名 大都市東京における特別養護老人ホームを始めとする介護保険施設の介護人材確保に関する請願
要旨  介護保険制度がスタートし、七年が経過した。しかし、既に制度疲労が発生し、高齢者介護の現場では深刻な人材不足が進行しており、高齢者への介護サービスの提供に問題が生じている。人材不足の原因は、仕事の専門性に見合った賃金水準にないことに加え、介護サービスの質的変化にある。施設の運営費となる介護報酬に人件費や物価における地域格差が適切に反映されていないため、東京の介護保険施設の賃金水準は、全国平均値にとどまり、職員の生活を保障できない。また、昨今の景気回復に伴い、一般企業と待遇面などで人材確保を競合していくことが不可能になっている。介護報酬のマイナス改定と景気動向の変化が介護現場の人材不足に拍車を掛けている。介護業務は、精神的にも肉体的にも重労働であり、特に夜勤時などに強いストレスを受ける仕事である。職員は「責任が重いのに賃金が安い、やりがいはあるけれど続けられない」と職場を離れていくが、それは、志を持って入職した職員が仕事への誇りと生活との板ばさみになってしまった結果である。介護保険施設の経営の合理化や工夫にも限界があり、高齢者介護の現場で職員が安心、かつ自信とやりがいを持って働ける職場環境と東京で生活できるだけの賃金が支払える適切な仕組みを制度に盛り込むことができなければ東京の介護に将来はない。
 ついては、都民が安心して介護サービスを受けられる介護保険施設を実現するため、次の事項について実現を図られたい。

一、都民が安心して老いることができるよう、福祉現場を守ることを目的に、介護報酬の水準を早期に適正なものとして、職員が安心して生活できる賃金、専門職として介護職員を育成する職場環境をつくること。
 1 大都市東京における人件費や物価水準を反映した、地域差を十分に考慮した介護報酬の設定を行うこと。
 2 介護という仕事の専門性に見合った賃金水準を確保できる介護報酬の設定を行うこと。

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