請願

 

第168回国会 請願の要旨

新件番号 748 件名 保育制度の改善と充実に関する請願
要旨  我が国の少子高齢化の進行は、予想を超える厳しいものとなっており、今後の社会・経済や子供たちの健全育成に深刻な影響を及ぼすことが懸念される。政府は、二月に「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議を設置し、制度、政策、意識改革など少子化対策について検討を行っており、国や社会の存立基盤に関わる最重要課題との認識の下に、会議で示された基本的考え方に基づき、年内に重点戦略を策定するなど、取組を強化することとしている。このような中、少子化対策の中心的な役割を果たす保育所は、多様化する保育需要に柔軟に対応し、家庭に代わる生活の場を提供する機能、保護者の仕事と子育ての両立を支援する機能の充実や育児相談など地域社会における子育て支援サービスの中心施設として積極的に取り組むことが期待されている。保育現場においては、低年齢児保育、障害児保育、体調不良児の保育など多様な保育需要への対応や保護者への支援並びに地域の子育て相談などにより保育士の業務が大幅に増大している。子供の安全と質の高い保育を行うには、看護師等の保健・医療の専門職員の配置や保育士の配置基準と処遇の改善が必要である。子育て支援は、国及び自治体の責任の下で推進されるべきとの認識から、保育所の運営に要する経費は、民間保育所については、国の直接負担制度となっているが、依然として、財源論だけで民間保育所運営費を一般財源とする議論や、経済性・効率性を優先する規制改革の関係者は、入所方法を保育所と保護者の直接契約とすることや認可保育所に対する補助金を廃止し、保護者に直接補助する方式に転換することを提言している。提言が実行されると、低所得者などの弱い立場の家庭の子供が入所できなくなるおそれや、保育の質の低下を招くおそれがある。次代を担う子供の保育環境を守るため、現行の保育所制度を維持する必要がある。保育料は、若い子育て世帯にとって負担となっており、生活費に占める割合は高率になっている。特に、共働き世帯の合算収入による保育料は高額となり強い不公平感がある。保護者が安心して保育所に預けることができるように、保護者負担の軽減と公平化を図る必要がある。待機児童の解消、多様な保育需要に対応した多機能保育所にするため基準面積増、園舎の老朽化や耐震等増改築を要する保育所が増加している。地域の特性をいかして乳幼児を心身共に健やかに育成するため、保育所の環境整備に要する国の予算の確保が必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、保育所職員の人材確保対策を推進すること。
二、民間保育所運営費の現行制度を維持すること。
三、保育料基準を改善すること。
四、保育所整備を推進すること。

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