請願

 

第168回国会 請願の要旨

新件番号 637 件名 不妊治療にかかわるすべての薬剤と検査に対する保険適用に関する請願
要旨  不妊症に悩むカップルは一○組に一組と言われており、何らかの不妊治療を受けている人は四七万人近いと推測される。不妊治療を行う医療施設の増加や自治体による不妊相談窓口の設置、特定不妊治療費助成制度など、不妊治療の環境も次第に整備され、生殖補助医療の技術も年々向上しており、日本産科婦人科学会の二○○四年の出生数調査によると、体外受精によって生まれた子供は二○○四年までの累積で一三万五、七五七人となった。二○○四年単独では一万八、一六八人で、年間出生数の一・六%を占め、六一人に一人以上が体外受精で誕生したことになる。人工授精やタイミング法での出生数を合わせると、不妊治療によって生まれた子供の割合はもっと高くなると推測される。このように、不妊治療を受ける人は年々増加傾向にあり、一般的なものとなっている。しかし、現在、不妊治療では、人工授精や体外受精など高額な治療の大部分が、健康保険の適用されない自費診療で行われている。不妊治療は、タイミング指導から人工授精、体外受精へと段階を踏んで治療を行うケースが一般的であり、どの段階においても、随時、検査が必須であるが、健康保険がきかないものが多く、患者には大きな負担となっている。また、人工授精や体外受精を行うためには排卵誘発剤などの薬剤が必要であり、例えば体外受精の場合では、一回につき、薬剤だけで十数万円掛かるケースも少なくない。高度治療である体外受精などは一回の施術料だけでも数十万円単位の費用が掛かる上に、検査費用や薬剤費用が加算される。このように、不妊治療は、経済的に大きな負担となっており、貯蓄を切り崩したり、治療費をねん出できずに子供をあきらめるカップルが多数おり、極端な場合は借金までして治療を続けるカップルもある。公的な支援として特定不妊治療費助成制度が二○○四年からスタートし、内容の見直しも進んでいるが、その助成金には地方によって格差があり、また制限が設けられているなど、必ずしも使い勝手が良いとは言い難い部分もある。
 ついては、一日も早く、我が子をこの手に抱きたいと、日夜願って努力を続けている患者のため、次の事項について実現を図られたい。

一、不妊治療にかかわるすべての薬剤と検査に対して、保険適用を行うこと。

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