請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 1521 件名 公共事業における公正な賃金・労働条件の確保等に関する請願
要旨  二〇〇六年もまた、全国各地で、相次ぐ大雨、台風、豪雪などによる多くの災害が発生し、貴い命と財産が犠牲になった。日本の国土は、地震や噴火、風水害が発生しやすく、さらに地球温暖化と市街地再開発などの影響で気候変動が大きくなり、冬の豪雪と夏の気温上昇・豪雨が同時に発生しており、過去の気象観測から想定できない災害への対策が急がれる。建設業界においては長期不況による市場の縮小と競争の激化によって、ダンピング受注と下請に対する指し値発注や下請代金・賃金の切下げ・遅延・不払などが横行し、建設業者の経営と労働者の生活が深刻な危機に陥っている。また、アスベスト粉じん問題では建築物解体・改修現場での早急な施策が求められている。(一)公共施設の建設・維持管理と防災・環境保全事業を国民の安全・安心を保障するものにすること(二)公共事業を不要不急の大型開発型から住民生活向上に資する事業優先型へ転換すること(三)建設現場で働く労働者に適正な賃金・労働条件を確保し、地域経済を支える建設業者が適切な収入を確保できるようにすることを求める。
 ついては、良質な社会資本整備と公正な事業執行を求め、次の事項について実現を図られたい。

一、公共事業を防災・生活・環境保全優先に転換するために
 1 アスベストの飛散防止や適切な処理方法を早急に確立するとともにアスベスト曝露(ばくろ)に伴う健康被害を防ぐこと。じん肺・アスベスト被害者の労働災害認定基準を大幅に緩和し、すべての被害者を補償すること。
二、公共事業において、公正な賃金・労働条件と業者の適正な収入・仕事を確保するために
 1 公契約法(公共事業における賃金等確保法)の制定など法体系を整備すること。
 2 労働者送出事業(建設業務労働者就労機会確保事業)により賃金と労働条件が悪化しないようにすること。

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