請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 883 件名 小規模作業所等成人期障害者施策の拡充に関する請願
要旨  小規模作業所は、障害のある人の就労を始めとする活動の場を実現し、多くの市民に支えられながら地域の社会資源として重要な役割を果たしている。その数は、全国で六、○○○か所余りにも及び、障害のある人の「地域で働き生活したい」という願いを実現するために全国各地で広がってきた。しかし、補助金水準の劣悪さや自治体間の格差等から、非常に厳しい運営を強いられている実態は改善されていない。小規模作業所問題の解消なくして、我が国の障害保健福祉施策を改善したとは言えない。二○○五年一○月に成立した「障害者自立支援法」の審議の中で、障害保健福祉分野に多くの課題が残されていることが明らかになった。また、応益(定率)負担制度の導入に対しては多くの当事者・関係者・市民から批判の声が上がっている。障害があるがゆえに必要になる支援を益とみなし、当事者、また家族にまでこれまで以上の負担を課すことは、安心して地域生活を送りたいという願いの実現を遠ざける。「慣れ親しんだ地域で暮らしたい」「地域で生活するのに必要な仕事と収入が欲しい」というごく当たり前の願いは、だれもが持つものである。しかし、現在の事業所やヘルパー等の数はその願いにこたえるには余りに少ない。
 ついては、障害のある人々のニーズと実態を踏まえ、成人期障害者の地域生活に真の安心と安定をもたらすため、次の措置を採られたい。

一、すべての小規模作業所・小規模通所授産施設が、就労移行支援事業、就労継続支援事業、生活介護事業のいずれかに移行できるようにすること。なお、当面は小規模作業所に対する国庫補助制度について、補助額や交付方式を見直した上で、存続を図ること。
二、利用者負担は応益(定率)負担ではなく、負担できる能力に応じた応能負担を原則とすること。また、地域で生活するために必要な所得保障を確立するために、障害基礎年金の見直しや、社会雇用制度(いわゆる保護雇用制度)の創設を含めた就労支援策を拡充すること。
三、すべての障害のある人々が必要な支援を受けるための総合的な福祉法と、働く場・活動の場や暮らしの場等の社会資源の量的整備を図るための特別(時限)立法を制定すること。

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