請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 788 件名 労働法制の拡充に関する請願
要旨  景気回復が言われる下で、雇用不安は解消されず、賃金・労働条件は年々低下している。労働条件は「人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」(労働基準法第一条)と定められているにもかかわらず、パート・臨時、請負、派遣など有期労働契約で働く非正規労働者の多くは、差別的処遇を受け、働いても貧困から抜け出せないワーキング・プアに陥っている。他方で正規労働者は、リストラ人減らしで仕事が増え、長時間労働で健康を損なう人が続出、過労死・過労自殺も頻発している。大企業が、目先の利益を追求する余り、雇用責任を軽視し、偽装請負や不払残業等の違法行為までして好業績を上げる一方、労働者の状態悪化で現場力の崩壊が問題視される事態が広がっている。日本の経済活力を根底から脅かしているのは、不安定雇用と低賃金・劣悪労働条件の広がりであり、それが貧困・格差と少子化問題の源である。劣悪な条件で働く労働者に、再チャレンジなどと自己責任を押し付けるのでなく、労働法制を改善し、法令を遵守させ、安定雇用を創出する施策を実行することが必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、労基法を改正し、時間外労働の上限規制や割増賃金引上げを行い、長時間労働と不払残業をなくすこと。労働時間規制の適用除外を広げないこと。管理監督者の範囲を一層明確にし、企業に厳守させること。
二、整理解雇に当たっては、(一)人員整理の必要性(二)解雇回避努力義務の履行(三)人選の合理性(四)手続の妥当性の四要件を充足しなければ解雇無効とされるよう、法整備を行うこと。
三、裁判で解雇無効とされた場合等、雇用関係にある労働者の就労請求権を確立するよう、法整備を行うこと。
四、労働者派遣法を改正し、登録型派遣は原則禁止とすること。勤続一年超で派遣先企業に直接雇用責任が生じるものとすること。違法派遣や偽装出向を厳格に取り締まるための体制を強化すること。
五、最低賃金法を改正し、金額を大幅に引上げ、だれもが健康で文化的に暮らし働ける水準を全国一律で定めること。
六、労基法とパート労働法を改正し、雇用形態別差別を禁止し、賃金・労働条件等の均等待遇を明記すること。
七、労基法を改正し、有期雇用は短期間の業務に限定し、恒常的業務への就労は期限の定めのない雇用とすること。

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