請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 688 件名 アスベスト問題の隙間なく公正な補償・救済に関する請願
要旨  マスコミをにぎわせていたアスベスト問題も、最近は取り上げられる機会が激減しているが、アスベスト被害は拡大し続けている。工場等の周辺住民の健康や命をも奪うアスベスト公害が、全国に広がっていることも明らかになっているにもかかわらず、国や自治体、企業による実態及び原因の解明、責任の追求等はほとんどなされていない。被害者・家族に重い立証責任を負わせ、闘病中に手続を行わなければ一切の救済が受けられず、また、石綿肺を救済対象から外している石綿健康被害救済新法は、新たな隙間(すきま)を生み出している。新法による救済内容・水準は労災補償と比べて余りにも低過ぎ、加害企業の責任を追及して労災補償や新法救済の上積み補償をさせる取組も進められる中で、その不公正さは一層際立っている。アスベスト問題は、小手先の対策で幕引きをさせてはならない。新法は五年を待たずに見直しよりもつくり直しが必要であり、補償・救済以外の健康対策や将来の被害の拡大を防止するための抜本的・総合的対策の確立のために「アスベスト対策基本法」の制定が不可欠である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、石綿被害救済新法及び労災補償制度等の不備を早急に見直し、すべてのアスベスト被害者とその家族に隙間なく公正な補償・救済を実現すること。
二、アスベストの把握・管理・除去・廃棄等を通じた一貫した抜本的・総合的対策を確立するために、「アスベスト対策基本法」を制定すること。

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