請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 502 件名 有給教育休暇制度の実現に関する請願
要旨  青年期は生涯の中でも一番よく学び、様々な体験をすることが可能な時期であり、知的な教養や技術を高めるだけでなく、幅広い人間的能力の基盤を形成する大切な時期である。そのような時期に青年が学校教育だけでなく、地域、学習、文化・スポーツなどの集団活動に参加することは、人間形成の上で重要な意味を持つ。勤労青年はこうした集団活動によって、個人的な教養や資質を高めるだけではなく、地域性や社会性を身に付けることができ、地域や職場にとっても積極的に大きな役割を果たすことができる。しかし、日本の青年の生活を見ると、物質的には豊かであっても、学歴偏重、受験競争、長時間労働などの中で、決してゆとりのある豊かな生活、十分な学習と様々な体験に巡り合えるような環境、教育的、商業的な配慮の中で生活し、成長しているとは言えない。余暇があるとしても、その過ごし方は、個人的な範囲の中で賄われている。青年は多くの仲間と共に過ごし、社会とかかわるあらゆる活動を通じて集団の中で成長したいという要求を持っている。しかし、青年らしい活動や取組を計画しても、休暇が取れないために実現できないという現状が増えており、青年にとっても、地域にとっても深刻な影響を及ぼしている。青年の成長と教育にとって極めて重要な地域、学習、文化・スポーツ活動などの集団活動に十分取り組めるために、有給教育休暇を制度として実現させることが重要な課題である。有給教育休暇は一九七四年、ILO(国際労働機関)の第五九回総会で採択され(第一四○号)、「労働時間中に一定の期間、教育上の目的のために労働者に与えられる休暇で、十分な金銭的給付を伴うもの」と規定されている。二一世紀を担う青年を育てるため、豊かな地域をつくるため、真の豊かなゆとりある社会をつくるためにも、勤労青年の集団活動への参加を保障する条件整備が急務である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、ILO「有給教育休暇に関する条約」(第一四○号)を批准し、制度として実現させること。

一覧に戻る