請願

 

第165回国会 請願の要旨

新件番号 1250 件名 食の安全と自給率向上に関する請願
要旨  命の源である食料は、安全・安心こそ大切である。ところが政府は、国民の心配や反対の声をよそに、安全対策の不十分なアメリカ産牛肉の輸入を再開した。しかも、原産国の全面表示を求める声にこたえず、生肉や一部の簡単な加工品に表示を義務化しているだけである。日本は世界一の食料純輸入国、食料を輸入に頼ることは、BSEなど感染症、残留農薬や添加物、遺伝子組換えなど、安全面で心配である。政府が大前提にしているWTO(世界貿易機関)による貿易自由化や関税引下げの流れは、行き詰っている。むしろ、各国は自給率を上げる努力をしているが、日本は四割もの田んぼで減反し食料輸入を増やしている。自国の食料を作る権利を保障し合う食糧主権の流れこそ、大きくすべきであり、世界の食糧危機の解決にもつながる。しかし、政府は、農業政策・補助金の対象を一部の大規模経営や株式会社などに絞り込んで競争させる、新たな農業政策=担い手対策を進めている。これでは、多くの農家が農業から閉め出され、安全・安心を求める消費者の声にこたえる農業を難しくする。
 ついては、消費者の安全・安心を求める声にこたえ、国が責任を持って食料自給率を高め、地域農業を発展させるよう、次の事項について実現を図られたい。

一、牛肉は、加工品やレストランなどを含めて原産国を全面的に表示すること。
二、食品衛生監視員を増員するなど、輸入食料の安全検査体制を強化すること。
三、国内生産を増やし、国の責任で食料自給率を抜本的に向上させること。

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